親のことが心配になったら 高齢でも加入でいる保険について  FP小井手 美奈子

「平均寿命」という言葉は耳にしたことはありますか。「平均寿命」とは、生まれたばかりの0歳の平均余命をいいます。

厚生労働省の「簡易生命表(平成29年)」によると、平均寿命は男性が約81.1歳、女性が約87.3歳。また70歳の人の平均余命は男性で約15.7年、女性は約20.0年となっており、男性より女性のほうが長生きする傾向にあります。もちろん、あくまでも予測のデータであり、個々のリスクについてはそれぞれが考える必要がありますが、老後のマネープランや、保険を検討する際の指標にすることができます。

また、保険で病気やケガに備えるために、70歳以上の方が実際にどれくらいの医療費を自己負担するのかを知っておかなくてはなりません。

70代、80代の医療費の自己負担額は、年齢が75歳以上であるか、所得が現役並みであるかが基準になります。70歳から74歳までの方が医療機関の窓口で支払う自己負担額は、原則として医療費全体の2割になります( 平成26年4月2日以降に70歳を迎える方が対象 )。75歳の誕生日を迎えると( 5歳以上74歳以下で、一定以上の障害があると認定を受けた方も、後期高齢者医療制度への加入を選択することができます。 )、それまで加入していた国民健康保険や健康保険制度を脱退し、「後期高齢者医療制度」に加入することになり、窓口での自己負担額は原則として1割になります。

「現役並み所得者」とは、健康保険(社会保険)加入者の場合、標準報酬月額が28万円以上の世帯を指します。また、国民健康保険加入者・後期高齢者医療制度の加入者の場合は、課税所得額が年間145万円以上の世帯のことを指します。

また 70歳以上の方の場合は、 医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が1カ月(毎月1日~末日まで)で一定の上限額を超えた場合には、高額療養費制度の対象となり、上限額を超えた額が支給されます。

一般の世帯(住民税非課税世帯ではない、年収約370万円未満の世帯)であれば、入院や手術、通院にかかった1ヵ月の医療費は57,600円(世帯合算*)を超えた分については戻ってきますし、通院などの外来療養にかかる医療費も1人当たり年間(8月から翌年7月まで)で14万4,000円を超えた額は払い戻されます。

さらに、高額療養費の払い戻しを受けた月が過去12ヵ月以内に3回以上あったときは、4回目からは多数回該当として自己負担限度額がさらに引き下げられます。なお、70歳から74歳までの方の多数回該当のカウントについては、「外来(通院)の限度額の適用によって高額療養費を受けた月」は含みません。

このように公的医療保険制度によって、高齢者の医療費の負担が少ないよう配慮がされています。どこまで医療費がカバーされるかを確認したうえで、民間の保険の必要性や保障内容について考えるようにすることが大切です。

70代・80代の方がこれから死亡保険を考えるとき、大切なのは「誰のために入るのか」「なんのために入るのか」ということです。これから自分がどう生きていくかということを考えたとき、高額な保険料を支払い続けるよりも、これからの生活資金として貯蓄しておこうという考え方もあります。

では、保険が必要になるのはどんなときでしょうか?

自分が亡くなったときに備えて保険で資金を用意しておく

遺産相続や葬式、お墓の手配などを生前にしておくものです。死亡保険でお葬式費用やお墓代を準備しておけば、残された家族にとっても助かります。夫婦で年金から収入を得ている世帯の場合、配偶者の一人が亡くなると、世帯で受け取る年金の額は少なくなりますが、配偶者や家族が金銭的に困らず生活できるかどうかを確認し、預貯金などでカバーしきれないようであれば、死亡保険でお金をのこすことも検討する必要があります。葬儀資金、配偶者や家族の生活資金をカバーするものとして、死亡保険を検討するのがよいでしょう。

②病気になったときに備えて資金を用意しておく
医療保険やがん保険は、病気やケガをしたときに、公的医療保険制度でカバーしきれない治療費を補うためだけでなく、病気やケガで働けなくなったときの生活費をカバーするというものです。しかしながら、年金をベースに家計を組み立て、不足分があれば貯蓄などから補っている世帯も多いと聞きます。では、70代以上の方に医療保険やがん保険は必要ないのか、というと、そうともいい切れません。「病気やケガによってかかる医療費で貯蓄が目減りするのを抑えるため」「公的医療保険でカバーできない費用を補うため」に医療保険やがん保険の給付金を役立てることもできるからです。

公的医療保険が適用にはならない費用としては、たとえば次の3つがあげられます。

①入院時の差額ベッド代

② 先進医療の技術料
「先進医療」は、厚生労働省が認めている最新の医療機器や薬を使った治療や、高度な医療技術を用いた治療です。先進医療を受けた場合、診察・検査・投薬・入院料などについては公的医療保険が適用されますが、先進医療の技術料は全額自己負担となります。 たとえば、がんの治療に有効とされている先進医療の例として、陽子線治療と重粒子線治療があります。1件あたりの平均費用は、陽子線治療が約277万円、重粒子線治療が315万円と、高額になります。これをカバーしてくれるのが先進医療給付金です。「先進医療特約」を医療保険やがん保険に付加するスタイルの商品が一般的で、保険料は月数十円~数百円前後としている保険会社が多く、わずかな額の負担ですみます。ただ、先ほども書きましたが 一般の世帯(住民税非課税世帯ではない、年収約370万円未満の世帯)であれば、入院や手術、通院にかかった1ヵ月の医療費は57,600円(世帯合算*)を超えた分については戻ってきますし、通院などの外来療養にかかる医療費も1人当たり年間(8月から翌年7月まで)で14万4,000円を超えた額は払い戻されます。

③治療費以外の入院に関わる費用
治療に直接かかる費用以外にも、入院に関わる費用が必要になることもあります。入院中には、パジャマやオムツなど必要なものが意外と多くあります。看護やケアのしやすさを考慮した、病院側からの指定品を購入したり、レンタルしたりする場合もあります。また、付き添いやお見舞いなど、家族の方の交通費や宿泊費が必要になることもあります。こうした費用は公的医療保険制度の対象にはならず、基本的に全額自己負担しなくてはなりません。

医療保険を「医療費をカバーするもの」としてだけでなく、「治療の選択肢を広げる経済的なサポート手段」「治療中の身の回りのことにかかる費用を補てんする手段」として活用することを検討するのも、ひとつの考え方になります。

70代・80代は、 死亡保障の必要性は比べて低くなってきます。その代わりに、医療保障の重要性が増してきます。保険は健康な人や若い人でないと入れないというイメージがありませんか?健康に不安がある方や還暦以降保険への加入は無理だと思っていませんか?最近では、告知書を提出せずに加入できたり加入条件がやさしくなった「保険」等健康に不安がある方でも入りやすい商品も販売されています。ただ、その分保険料はやや高めの設定となっている場合が多く、商品によっては加入から一定期間の死亡保険金が削減されたり、入院給付金が半額になっていたりするなど、保障内容が限定されることもあります。しかし、保険に加入する前からの持病の悪化、再発に関しても保障の対象となるのが一般的です。

以上を踏まえて、まずは万一のとき、どれくらいのお金があれば安心かを考えてみましょう。

厚生労働省が実施した、「平成28年国民生活基礎調査」によれば、世帯主が70歳以上の世帯の平均貯蓄額は約1,260万円。とはいえ、実際の貯蓄額は人によって大きく差があります。

では今まどのような保険に加入されているのでしょう?保険料の支払い方法も、一定の年齢や期間で保険料の支払いが終わる有期払い(短期払い)や、保険期間中ずっと支払いが続く全期払い(終身保険の場合は終身払い)等がありますがどれにあてはまりますか?

まずは「現在加入している保険の保障内容」をしっかりと理解しておくことが大切です。今の保険の保障は何歳まで続くのか、保険期間が終わった後はどうするのか、といったことを確認、検討することが第一歩。一度FPと見直し相談すると色々見えてくるものが多いです。

保険料の支払いが70歳以降も続く場合、今加入している保険は本当に必要なものなのか、貯蓄などで病気やケガに備えることは難しいのか、といったことも改めて考える必要があります。 高齢でも加入できる保険は増えてきましたが、目的をもって最小限の準備を怠らないようにしましょう

FPがおすすめする高齢者が検討すべき保険とは?

①「葬儀資金、配偶者や家族の生活資金をカバーするもの」として考えてみましょう  『第11回「葬儀についてのアンケート調査」報告書』(一般財団法人日本消費者協会 2017年1月刊行)によれば、葬儀費用の全国平均は【195.7万円】。多くに引用される数値で、葬儀一式費用(全国平均121.4万円)に寺院への費用、通夜からの飲食接待費用を加えたものです。 こうした支出は、香典があれば一部は補填されます。また昨今では、家族葬として少人数で執り行うなど、形式や費用の簡素化の流れも徐々に広がっています。それでも、葬儀には一定のおカネが必要です

②公的医療保険でどこまでカバーされるかを知っておき、手元の現金との兼ね合いで民間の保険ではどのような保障が必要なのかを考えることが大切です。 若い頃に加入した終身保険であれば払込保険料総額よりも死亡保険金額が大きいこともありますが、シニアでは死亡時に200万円の保険金を受け取るためにそれ以上(場合によっては何倍もの)の総額の保険料を払い込むことになるわけです。よく検討してみましょう

③健康上の理由などで通常の保険に入れなかった場合は「引受基準型」「限定告知型」を検討。それでも加入が難しい場合は、「無告知型」「無選択型」を検討しよう。

高齢者が検討すべき保健 、「家族のために大きな保障を」と考える必要性が少なくなっています。病気になったときに困らない保障、万が一のとき家族が困らない保障など、今の自分どんな保障が必要かを考えていくことが大切です。不安のない毎日を暮していくために、自分に合った保険を活用していきましょう。

本人や家族にとって、より良い選択ができることを願っております。

小井手 美奈子 (コイデ ミナコ) (1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®)

<プロフィール> 
S36年4月7日  A型
職歴     銀行勤務9年  証券勤務18年  現在 FPとして様々な案件を解決中!
資格   ファイナンシャルプランナー      証券一種外務員資格  証券二種外務員資格

趣味は園芸、愛犬との共同生活、などなど。
今、一番幸せを感じる時間は、孫達と遊んでいる時と、私を慕ってやまない(?)犬二匹との時間です。

~社会人になってまず、銀行に入行し、その後も、ずっと金融の仕事に携わり、私もそろそろ老後を考える歳になってまいりました。
同世代の方と話をしていると、退職後や老後のお金の話になりますし、自分の子供たちの世代をみていると、年金などの不安要素がいっぱいに感じます。
よく言われる話ですが、お金には「色」があって、ご自身のご資産を大切に生かすためには、そのご資産をきちんと色分けしてあげる必要があると思います。色分けしたお金を、そのニ-ズにあったところで運用します。
私も、自分の老後を一緒に考えながら、大好きなお金のはなしや、いちばん必要な保険のはなしをお話ししていきたいと思います。

座右の銘   辛抱する木に花が咲く

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