「新しい葬儀スタイルに関する意識調査」(2020 年 7 月実施) 葬儀にも非接触の兆し。葬儀のライブ動画配信やドライブスルー、SNS 訃報への抵抗感減少

冠婚葬祭互助会の(株)くらしの友〔本社:東京都大田区西蒲田 8-2-12、社長:伴 久之〕は、40~70 歳代の男女 400
名を対象に「新しい葬儀スタイルに関する意識調査」を実施し、新しい葬儀スタイルへの認知度や抵抗感を調べました。
 前回調査を実施した 2018 年 11 月から抵抗感が下がったサービスと変化のなかったサービスの二分化が見られました。新型コロナウイルスの影響で従来の葬儀を行うことが難しくなる中で、ニューノーマルな葬儀の形への意識にも変化が生まれています。

※「もし身内に不幸があり、身内以外も参列する葬儀の喪主を務めることになった場合」で「故人の意向はない」という条件のもと調査

■全体:2018 年調査からの変化 

 全体として抵抗感の強いものが多い一方で、2018 年調査との比較ではデジタル系サービスを中心に抵抗感は減少傾向 にある。また、以前から認知されている「散骨」「樹木葬」はほぼ横ばいの結果となった。
 「葬儀のネット動画配信」は抵抗感は全体の中で 3 番目に高いものの、認知度の向上と抵抗感の低下が大きく変化した。 コロナ禍で従来通りの葬儀が執り行えなくなる中で、各種メディアで「葬儀のネット動画配信」が新しい葬儀のスタイルとして取り上げられたことが、認知拡大や抵抗感の低下につながったと考えられる。さらに、「葬儀のドライブスルー」「SNS 訃報」の抵 抗感の減少も、非接触サービスへの関心が要因となっている可能性が高い。 

  • 「葬儀のネット動画配信」の認知度が前回の 3 倍以上に増加

​ 最も認知を獲得している新しい葬儀のスタイルは、2018 年と同様に「散骨」と「樹木葬」となった。「バーチャル祭壇」「SNS 訃報」「ロボット導師」などのデジタル系サービスと比較して、以前から取り入れられているサービスであることが広い認知につながった。

 「葬儀のネット動画配信」は、他のサービスと比べて唯一 2018 年から大きく数値が変化した。「知っている」という回答が 400 人中 24 人から 80 人へと 3 倍以上に増加し、認知が 6%から 20%へ拡大した。その要因として、新型コロナウイルス 流行による外出自粛要請期間中に、葬儀をネットで配信するいわゆる「オンライン葬儀」がメディアに多く露出したこと考えられる。 

  • 「葬儀のネット動画配信」抵抗感 9.6%減少 

「葬儀のネット動画配信」の抵抗感は前回調査の 85.1%から 75.5%へと変化し 9.6%減少。いまだ全体の中で「抵抗がある」という回答が 3 番目に多いサービスではあるものの、前回調査との比較では最も抵抗感が低下する結果となった。(② -1)
 抵抗感の理由としては、前回同様「必要性を感じない」という回答が全体の 45%で最多だったが、前回調査から 12.3% 減少。(②-2)受容側の意見としては「参列が難しい人にも偲んでもらえそう」など参列者側の利便性を踏まえた回答が目立つ結果となった。(②-3)
 抵抗感減少の背景は認知拡大と同じく新型コロナウイルス流行があり、オンライン化が進んだことで受容的な回答が増えたものと考えられる。

 ■葬儀のネット動画配信とは
…諸事情で葬儀に参列できない人が、PC やスマートフォン等でリアルタイムで葬儀の様子 を閲覧できる動画配信サービス

  •  SNS 等を活用した訃報・葬儀案内、60 代・70 代の 「抵抗がある」が 10%減少

 「スマートフォンの SNS 等を活用した訃報・葬儀案内のサービス」について尋ねたところ、「抵抗がある」は全体で 55.3%と 約半数が抵抗感を示す結果となり、前回調査の 59.3%から 4%減少した。 特に 60 代・70 代の高齢者層の抵抗感が著しく低下している。全体の抵抗感低下が 4%に対し、60 代は 11%の低下、 70 代では 9%の低下だった。(③-1)
 「抵抗がある」理由として最も多かったのは、「人の死をお知らせする方法として、どこか軽い印象がある」となった。一方 「スマートフォンを使いこなせていないから」という回答者数は 56 人(14%)から 27 人(6.8%)へ大きく減少した。(③-2)

 ■スマートフォンの SNS 等を活用した訃報・葬儀案内連絡サポートサービスとは
…葬儀社が作成する訃報及び葬儀情報(日時・地図など)が載ったホームページのアドレスを、自身のスマートフォンの SNS(LINE 等)やアプリ等で参列候補者に配信できるサービス 

  • ロボット導師による読経サービス 「抵抗がある」が、95%

 「ロボット導師による読経サービス」はデジタル系サービスの中で唯一 2018 年調査から抵抗感の減少がなく、「抵抗がある」と回答した人は 95%となった。また、前回調査と同様に最も抵抗感が高いサービスになった。(④-1)
 抵抗感の理由も前回調査と変わらず「人の死に際し、真摯な感じがせず受け入れられないから」が最多となり、抵抗感がある人のおよそ 2 人に 1 人が理由にあげる結果となった。他にも「宗教・葬儀の厳格性を欠く」などの心理的な理由が抵抗感の原因としてあがった。(④-2)

■ロボット導師による読経サービスとは
…葬儀中、導師(僧侶・神官等)の代わりに、袈裟等を着た AI ロボットがお経等を読むサービス

  • 樹木葬 「取り入れてみたい」と回答した人が唯一過半数となった 

 樹木葬は「取り入れてみたい」という回答が、55.8%と半数を超え、前回調査と同様に唯一過半数の回答者に受容された新 しい葬儀のスタイルとなった。(⑤-1)
  また「取り入れてみたい」と考える理由については男女で大きな差があった。男性は「墓不足の課題にマッチしているから」 「コストが安そうだから」と合理的な理由が多く、女性は「故人の魂が自然に返るのがよいと思うから」「樹木に魂が宿りそうで良いから」など心理的な理由が多く見受けられた。

■樹木葬とは
…私的な墓石を建てるのではなく、墓地(霊園)に遺骨を埋葬し、遺骨の周辺にある樹木を墓 標として故人を弔う方法

■その他、調査対象の葬儀サービスの説明 
①葬儀のドライブスルーサービス
…葬儀の式場内には立ち寄らず、施設脇の窓口に車を着け、車中からの香典渡しや 焼香のみができるサービス
②バーチャル祭壇
…生花や木製の祭壇の代わりに、舞台上のスクリーンや特殊カーテンに、遺影やイメージ映像等を照射できる疑似祭壇
③散骨
…墓をつくらず、火葬後の焼骨を粉末状にし、海や山中、空、宇宙にて散布して故人を弔う方法

■調査実施概要 
調査方法 |インターネットによる調査
有効回答数 |400 名
データ集計期間 |2020 年 7 月 22 日~7 月 27 日
調査対象 |1 都 5 県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県)在住の男女で 直近 5 年以内に身内以外も参列する参列者 21 名以上の葬儀の喪主(準ずる立場)を経験した 40 歳~70 歳の方
男女比 |男性:200 人(50%)、女性:200 人(50%)
年齢 |40 代:100 人(25%)、50 代:100 人(25%)、60 代 100 人(25%)、70 代 100 人(25%) (※)「喪主に準ずる立場」とは、喪主ではないが、喪主と一緒に葬儀社のやりとりなどに参加したり、葬儀費用の収支を確認したりするなど葬儀を把握する立場に ある方

■株式会社くらしの友 会社概要
事業内容:互助会の会員募集業務および冠婚葬祭に伴う各種サービスの提供
所 在 地:東京都大田区西蒲田 8-2-12
従業員数 :1,431 名(グループ全体)
社 長:伴 久之
直営斎場 :東京・神奈川・埼玉・栃木に 30 カ所
設 立:1967 年 4 月 17 日
直営仏壇店:東京・神奈川に 5 店舗
グループ総資本金:2 億 7383 万円

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