ひと工夫でたんぱく質がもっと摂れる「冷や汁そうめん」~管理栄養士 板垣好恵先生の夏向けアレンジレシピ~

夏に食べたいみそベースの冷たいつゆのそうめんアレンジ。みそをアルミホイルに薄く塗りトースターで焼き、たんぱく質粉末・和風顆粒だし・すりごま・水と混ぜてそうめんにかける。塩もみしたきゅうりと絹豆腐・みょうが・大葉をトッピングする夏にぴったりの冷や汁そうめん。たんぱく質を増やすために、たんぱく質粉末を使ったアレンジレシピです。
■材料  (一人あたりたんぱく質19g)
(2人分)
そうめん(乾):200g
絹豆腐:小1/2丁
きゅうり:1/2本
みょうが:2個
大葉:2枚

(a)みそ:大さじ2
(a)和風顆粒だし:小さじ1/2
(a)白すりごま:大さじ1
たんぱく質粉末(※2):小さじ4
冷水:250cc

■作り方
1.豆腐は1cm角、みょうがは縦半分にして斜め薄切り、大葉は千切りにする。きゅうりは小口切りにして塩少々(分量外)をなじませて5分程おき、水気を絞る。
2.みそをアルミホイルに薄く塗り広げ、トースターで焼く。表面に軽く焼き色が付いたら取り出す。
3.ボウルに(a)・たんぱく質粉末を混ぜ、冷水を少しずつ加えて溶きのばす。豆腐・みょうが・きゅうりを加えてさっと混ぜ、食べる直前まで冷蔵庫で冷やす。
4.鍋に湯を沸かし、パッケージの表示通りにそうめんを茹でる。ザルにあげて流水で冷やし、水をよく切って器に盛る。
5.冷やした③を注ぎ入れ、大葉をのせる。

■ポイント
・みそは焼くことで香ばしさが加わり風味とコクが増し、よりおいしいつゆになります。焼かずにそのまま混ぜてもOKです。
・いつもの温かいおみそ汁にそうめんを加えてもOK。その場合たんぱく質粉末はみそ汁の粗熱が取れてから加え、混ぜ溶かしましょう。

(※2) 今回は森永乳業「タンパク生活」を使用

【レシピ監修者】
板垣好恵先生(管理栄養士 上級食育アドバイザー)

大手料理教室に6年間勤め、延べ2000人以上の生徒を担当。エリア統括責任者、本社でのヘルスケア事業部責任者を経て2015年に独立。自身の妊娠・出産経験から、プレママ〜産後ママの食生活や、子どもの発育における食育の重要性を実感し、食育活動に注力する。料理を作ることや栄養学をもっと楽しく、身近に感じてもらえる食の専門家でありたいという思いで活動しています。

  • 筋肉だけではない 健康な生活に必要なたんぱく質

三大栄養素の一つであるたんぱく質は健康な生活を送るための重要な役割があり、「体をつくる」ことと「整える」こと(生体機能の調節機能)に分けられます。

▼体をつくる
筋肉をはじめ内臓や骨、血液体のほとんどがたんぱく質でできており、髪や爪、肌も原料となる。

▼整える
感情や記憶、睡眠に関わるホルモン、細菌やウイルスなどから身体を防御する役割を果たす抗体はたんぱく質からできており、免疫機能維持にも。

たんぱく質は、運動をしたり、筋肉をつけたい人たちだけのものではなく、健康でいきいきと生活を続けたい全ての人にとって、生きていくためのたんぱく質、いわゆる「生活たんぱく」として不可欠です。

 

  • シニア世代にこそ必要なたんぱく質

 厚生労働省から出されている『日本人の食事摂取基準』2020年版に、新たなテーマとして「高齢者の低栄養・フレイル予防」が追加されました。高齢者においては、生活習慣病など病気の予防を目的としたんぱく質の「目標量」を意識することが望ましいとされています。
64歳までは生活習慣病予防のための過栄養がリスクとなりますが、65歳以上の高齢期になると、低栄養がリスクへと変わります。低栄養は運動機能の低下を加速させる因子となりフレイルへと陥る恐れがあります。そこで65~75歳のあたりから体調を見極め、低栄養ケアへのギアチェンジが必要になります。

出典:葛谷雅文「高齢者における栄養管理 ギアチェンジの考え方」 日本医事新報 2016, No.4797 より

  • シニア世代のたんぱく質目標量

 厚生労働省では、国民の健康維持増進のために必要なエネルギーや栄養素の量の基準を『日本人の食事摂取基準』として発表しています。 2020年版では、 50歳以上の年齢区分で、たんぱく質「目標量」の下限値が引き上げられました。50~64歳、65~74歳では若い世代よりも下限値が高く、男性では育ち盛りの15~17歳と同等の目標量の数値が設定されています。

 

  • 65~74歳男性(※3)のたんぱく目標量はしっかり食事を摂っても足りない!?

(※3)身体活動レベルⅡ

 

高齢者の男性(65~74歳、身体活動レベルⅡ)の場合、1日あたりのたんぱく質摂取目標は90~120gとなります。1食にすると、30g以上の量が目標量です。
右のイラストは朝食例のたんぱく質量を表しています。納豆やシーザーサラダのチーズなど、たんぱく質源も取り入れてかなりしっかり食べているようですが、それでも1食あたりの目標30gには、約10g足りないのです。
高齢で食が細くなってくる中、食事だけで目標量を満たすのは難しくなってきます。

 

  • 今注目の、料理に使える「粉末タイプのたんぱく質」商品

 

 シニアを中心に、日常生活を健康に送りたい人が注目する「粉末タイプのたんぱく質」商品。手軽に料理や飲み物にかけたり、混ぜても使える商品が登場しています。普段の食事や飲み物にプラスするだけで、食事だけでは摂りづらいたんぱく質を手軽に摂ることができます。

 

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