2月1日は「フレイルの日」。
フレイルは加齢とともに心と体が弱くなった健康と要介護の中間にある状態を指します。 要介護状態になると、もとの健康な状態に戻ることは難しくなりますが、早期にフレイルの兆候に気づき、対策を行えば健康に戻りやすいと考えられています。

フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
- 体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
- 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
- 歩行速度の低下
- 握力の低下
- 身体活動量の低下

5回椅子立ち上がり時間チェック |
① 肩幅に足を開き、手は胸の前でクロスさせて座ります。(膝の角度は90度)
② 椅子から立ち上がり、膝関節が十分に伸びたところで1回数えます。
③ 5回目に立ち上がり、 膝関節が完全に伸びたところまでの時間を測ります。
6秒未満: 良好◎
6~12 秒未満: 普通〇
12 秒以上: もう少し △
60秒片足立ち時間チェック |
① 両手を腰につけ、片足を軽く前方に上げます。
② 最高で60秒まで続けます。(立っている足が少しでもずれたり、片手が腰から離れたり、上げている足が立っている足に触れたりした場合は、計測終了です。)
30秒以上: 良好◎
10~30 秒未満: 普通〇
10 秒未満: もう少し △
足関節背屈の可動領域評価チェック |
両手を前に伸ばして、しゃがみます。
足幅こぶし1つ分でかかとをつけてしゃがめる : 良好◎
足を肩幅に開いてしゃがめる: 普通〇
かかとをつけてしゃがめない: もう少し △
この5項目…いかがですか?幾つ当てはまりましたか?そして運動機能はいかがでしたか?
出典
フレイル対策の「3つの柱」は、「栄養(食・口腔)」、「運動」、「社会参加」!+「脳トレ」と言われています。

まずは食事!
高齢者の食生活の特徴として、独居や高齢者だけの世帯になると、同じものばかり食べる、買い物や調理が億劫(おっくう)になる、食事そのものへの関心が薄れ、食生活が単調になってしまう、食事の回数が減る、といったことが挙げられます。 また、独居や高齢者だけの世帯では、人との交流が減り社会的に孤立しやすく、外出する頻度の低下や、運動不足から食欲低下、あるいは、食事量の減少を引き起こしやすくなります。 これらに加え、加齢に伴う生理的、社会的、経済的問題も高齢者の栄養状態に影響を与え、低栄養状態が引き起こされやすくなります。
高齢者になると1回の食事量が少なくなるため、栄養素の不足によって低栄養を引き起こしがちです。1回の食事で不足する栄養素は、間食で摂るなど工夫しましょう。とくに牛乳などの乳製品には多くのたんぱく質やミネラルが含まれるので、積極的に摂るようにします。
調理において、いつも似たような味付けばかりだと、食事がマンネリ化してしまいあきてしまいます。和風、洋風、中華などいろいろな料理を入れ、食事を楽しむように心がけましょう。調理が大変な方は宅配食やコンビニ、スーパーなどのお惣菜、冷凍食品などを上手に利用します。
高血圧の方は食塩の過剰摂取に気をつけましょう。しかし、全体の味付けが薄いと食欲が低下し食事がすすまないことがあります。そのような場合には酢や香辛料、香味野菜などを利用してメリハリのある食事にしましょう。

低栄養を予防し老化を遅らせるための食生活
- 3食のバランスをよくとり、欠食は絶対さける
- 動物性たんぱく質を十分に摂取する
- 魚と肉の摂取は1対1程度の割合にする
- 肉は、さまざまな種類を摂取し、偏らないようにする
- 油脂類の摂取が不足にならないように注意する
- 牛乳は、毎日200㎖以上飲むようにする
- 野菜は、緑黄色野菜、根野菜など豊富な種類を毎日食べ、火を通して摂取量を確保する
- 食欲がないときはとくにおかずを先に食べごはんを残す
- 食材の調理法や保存法を習熟する
- 酢、香辛料、香り野菜を十分に取り入れる
- 味見してから調味料を使う
- 和風、中華、洋風とさまざまな料理を取り入れる
- 会食の機会を豊富につくる
- かむ力を維持するため義歯は定期的に点検を受ける
- 健康情報を積極的に取り入れる
- 普段から体重の変化やBMIなどにも注意し、栄養バランスの良い食事を摂るようにしましょう。
- 高齢者では肥満よりも痩せすぎの方の方が、死亡率が高くなります

運動を習慣にする

日常生活にプラス運動となると、運動習慣のない人にとってはなかなか実行することが難しく、実行したとしても長続きしないこともあるでしょう。しかし、日常生活そのものに運動の要素を取り入れることでプラス10分の運動も達成することができます。例えば、「出かける時はなるべく徒歩で出かける」、「階段を積極的に上り下りしてみる」ことや、「テレビを見ながら足の運動をしてみる」、「家族や友人に会いに行ったり、催し物に行ったりなど、外に出掛けるきっかけをつくる」ことなどを行い、運動する時間を増やしていきましょう。
歩く時は、お尻と背筋を伸ばして腕を振り、歩幅を大きくして少し速く歩いてみましょう。身体をしっかり伸ばして大きく足を動かすと、全身の筋肉を効率よく使うことができます。
寝たきりのリスクを知る「指輪っかテスト」のやり方(出典:東京大学高齢社会総合研究機構・飯島研究室のサイト「フレイルを知ろう」)もご紹介します! 「指輪っかテスト」は、両手の親指と人さし指で輪をつくり、ふくらはぎの一番太い部分を囲むだけ。これで筋肉量の減少ぶりが分かる簡易チェックになります。

①測るときは椅子に座って前かがみになり、ひざが90度になる状態でふくらはぎの一番太いところを、力を入れずに囲みます足を上げて測ろうとすると角度が変わってしまうので、ひざの角度が90度になるように意識してください。できれば利き足ではないほう(分からなければどちらでも可)を、必ずズボンの裾をめくり上げて、靴下も下げ、素肌の上から測るのがポイントだということです。
②ふくらはぎを「囲めない」「ちょうど囲める」「すき間ができる」の三つのグループに分かれます。飯島さんによると、全国どの地域に行っても3グループの割合はほぼ変わらず、「囲めない」人が5~6割、「ちょうど囲める」人が3~4割、「すき間ができる」人が1割になるといいます。

③指の輪よりも足が細くて「すき間ができる」人は要注意。筋肉量が減り、筋力が低下している恐れがあり、介護や寝たきりになる可能性が高いそうです。飯島さんは「早めに気づいて対策を」と呼びかけています。千葉県柏市で高齢者約2千人を対象にした調査では、4年間にわたり経過を追うと、「すき間ができる」人は、「囲めない」人よりも3.2倍も死亡率が高かったということです。
フレイルのリスクから見ると、ふくらはぎが細い人たちの方が、ふっくらしている人よりもハイリスクであることが分かってきました。 スマートな足より・・

*おとなナビでは今後たくさんのフレイル予防体操をご紹介してまいります!(ちなみに👆はAINIS社長の足(笑)
社会活動に参加する
社会とのつながりを持つことが億劫となり、家に閉じこもりがちとなると、生活面や精神面など他の側面までもが低下をきたし、ドミノ倒しのようにフレイルが進行、重症化していきます。
自分が得意なこと、できることを見つけて地域のボランティアなどに社会参加することは、生きがい、やりがいを見出すことや社会的な役割を再び取り戻して自信をつけることにもつながります。社会的な活動は活気や気力も湧き、いきいきと生活することで心も体も元気になります。
また、働くことも何よりの社会活動です。 また働いてみませんか?

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