認知症チェック 10 帰省時がチャンス! 

長期休暇の際には実家へ帰省し、高齢の両親と久しぶりに顔を合わせる人も多いですね。

ここ数年はなかなかそれもままならない状況ですが、ちょっと注意して親や実家の様子を観察してみましょう。 帰省は、またとない認知症の“気づき”のチャンスなんです。
寝たきりの始まりは転倒からと言われますが、近ごろ心配の比重で最も多いのが「認知症」です。

認知症は、記憶力や認知能力の低下ばかりでなく、人が変わってしまったような言動で、介護する側が精神に異常を来すことだって少なくありません。とはいえ、本人は、自覚ないに等しいのですから、中々手ごわい症状です。 ではどこに注意して観察すれば?


 MCI(軽度認知障害)と呼ばれる認知症予備軍、あるいは認知症の初期段階には、様々な特徴的なサインが現れます。 

 ①嗅覚機能の低下だけでなく、ゴミが溜まっていることを気にしなくなったり、捨てることが出来なくなっていませんか?

最近は可燃物、不燃物、カン・ビン、金属ゴミなど、ゴミの捨て方が複雑になっており、分類がきちんと出来ない、あるいは捨てる曜日がわからない。出す日を間違えた時に近所の人から注意され、出せなくなってしまう人居るといわれています。 それにもまして、とにかくゴミが多いと思いません?

②整理整頓が出来ておらず、家の中が汚くなっていませんか?
 片付けが出来ておらず、部屋が汚くなっていませんか? 体力的な問題だけでなく、認知機能の低下が原因かもしれません。

③ 冷蔵庫に賞味期限切れの食材や、冷蔵庫に入れる必要のないものがありませんか?
「認知症による計画性の低下が考えられます。同じ食材ばかりを買ったり、買ったこと自体を忘れてしまっているのです」保険証や靴下まで冷やされていたなんてことにも遭遇しました。逆に、お肉がを下着と一緒ににしまっていたケースもありました。認知症と診断される前の方でも、こういうことがあります

④ 料理をしなくなった。味が変わった

もともと料理好きでレパートリーも多かったのに、ちっとも料理をしないな、という場合も注意してください。「デュアルタスク(2つを同時進行する能力が落ちている)ので大勢の料理なんてとんでもない状況なのでは? それとよく見られるのがとんでもない調味料をかけたり、どうして?と思うものの掛け合わせ料理になっていたりしませんか?

 味が変わるのは、やはり嗅覚の問題でしょうが、嗅覚や認知機能の低下の場合、調味料の加減という次元ではなく、味自体がめちゃくちゃになってしまうといいます。ウインナーが40本くらい炒められて出てきて、味付けは砂糖でした、なんてことも。 

⑤金銭感覚が変わった
「無計画に使ってしまうケースが多いようです。親の通帳を見たらほとんど残っていなかった、という話もよく聞きます。何を買ったのか、何に使ったのかよく覚えていないこともある」

 親の通帳を見るのは、子といえど難しい。が、将来のシミュレーションとして相続の話をしてみるなど、どこかで一度機会をとらえ、財産状況を確認したほうがいいですね。3歳のひ孫にお菓子を買いなさいと言って1万円渡したり、お坊さんへのおつつみに1000円入れてあったり、不思議なことがおこってませんか?
⑥ ちょっとしたことで、すぐ怒り出しませんか?
「これは前頭葉機能低下の前段階であることが多い。感情のコントロールが出来なくなっているのです。理性、理屈が通らない上に『なんでそんなことで』ということで怒ってしまう。儀母には違うよという言葉に地雷が埋め込んであるようで、何かを否定すると驚くほど怒ります。

⑦運転が危くなった。または、車に小さな傷がいくつもありませんか?
明るいところで車をよく観察してください。大きなへこみではなくとも、擦り傷だったり、ボコボコとした傷が複数あるケースが多いことが多々あります。 スーパーの駐車場や狭い曲がり角などでぶつけているのに、気がついていないことが多いのですがそれを指摘しても、訳の分からない言い訳することもあるようです。車を手放す、免許の返納など、真剣に話し合うべき時かもしれませんね。

⑧ 髭をそらない、化粧をしないなど、以前に比べて身だしなみを気にしなくなった
⑨ 家の中でぼーっとしていることが増えた。外出が減った
どちらも気力の問題です。以前はよく出かけて友達とおしゃべりしていたのに、ぼーっと1日中テレビを観ている。出かけないので身だしなみも気にしなくなり、引きこもりがちになってしまう

たしかに足元もおぼつかなくなって、出かけられても心配ではありますが・・・・こうした生活を続けていると、うつ傾向になりやすくなるといいます。怖いことに、高齢者のうつは認知症発症のリスク要因のひとつです。 

⑩ 同じ話を繰り返したり、少し前の出来事を覚えていない
誰でも加齢とともに物忘れの症状は出てくるものですが、先月会った人の名前を思い出せない、というのは加齢によるものです。一方、出かけて誰かに会った、という行動自体の記憶がスポッと抜け落ちている忘れ方は、認知症特有のものです。認知症の儀母はデイサービスから帰ってきたばかりにもかかわらず、今日はどへも出かけていないのでお腹がすかないと言い出すのは日常茶飯事です。


自分の家族が以上のような様子を見せた場合、物忘れ外来を受診させるなど、すぐに手を打つことが重要ですが、素直に行ってくれないケースもあります。どうやって連れ出せばいいのでしょうか?

「2018年4月から『認知症初期集中支援チーム』が全国の市町村に設置されています。地域包括支援センターなどに連絡すれば、医療と介護の専門チームが自宅まで来て、相談に乗ってくれるので、無理に引っ張りださなくても大丈夫です。19年度には当センター主催の研修を受けた1万人の認知症サポート医が待機する体制になります」

 実家に帰ったとき、「何か変だな」と感じた場合、その直感は核心を突いていることが多いと言われています。毎日顔を合わせているとなかなか気がつかないことでも、たまに会った肉親だからこそ、親身に、細やかに見ることが出来ます。


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