■『百年の孤独』とは
1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行され、現在まで46言語に翻訳されて5000万部を売り上げている世界的なベストセラー。著者は自作を黒澤明監督が映像化することを熱望したが、NETFLIXが2022年にノーベル平和賞受賞40年を祝して『百年の孤独』の映像化の権利獲得を発表、大きな話題を呼んだ。著者の生地をモデルにした不思議な村「マコンド」を舞台にした数世代にわたる一族の物語で、奇想天外なエピソードが延々と続くが、不思議な中毒性があり、読後には大どんでん返しで奇妙な感動に包まれる。世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している名著中の名著。
■ガブリエル・ガルシア=マルケスについて
1927年コロンビアの小さな町アラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部中退。「エル・エスペクタドル」紙の記者となってヨーロッパにわたり、ジュネーブ、ローマ、パリ各地を転々とする。55年に処女作『落葉』を発表。67年に『百年の孤独』を発表後も、『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など次々と歴史的傑作を刊行。82年にはノーベル文学賞を受賞した。キューバで社会主義政権を樹立したフィデル・カストロと深い親交を結び、アメリカ連邦捜査局から長年監視されたが、ラテンアメリカ世界では英雄的な作家であり、2014年に逝去した際には祖国コロンビアで国民が三日間にわたって服喪した。
■今年の「新潮文庫の100冊」に収録
48年の歴史を誇る夏の文庫フェア「新潮文庫の100冊」の目玉新刊として全国書店で展開されることが決定しました。夏目漱石『こころ』や太宰治『人間失格』といった古典から、人気作家のベストセラー作品まで、古今東西の名作を選りすぐった一年間で最大規模の文庫フェアです。
■遺作の全世界発売も話題に
本年3月にはガルシア=マルケスが生前最後に取り組んだ遺作『出会いはいつも八月』が世界中で刊行され、日本でも旦敬介氏による翻訳で出版されたばかりです(小社刊)。ガルシア=マルケスの作品では珍しい、リアリズムに立脚した作品で、著者が最後まで新しい挑戦を続けていたことがわかる必読書となっています。
https://www.shinchosha.co.jp/book/509021/
■書誌情報
タイトル 百年の孤独
著者 ガブリエル・ガルシア=マルケス
訳者 鼓直
発売日 2024年6月26日
ページ数 672ページ
定価 1375円(税込)
ISBN 978-4-10-205212-9