人生100年時代の到来を見据え「予防医学」や「未病対策」というキーワードが重要視され、人々の健康に対する関心度が高まっています。アンファーは、個人の健康に対する意識や、健康的な生活習慣の行動変化を指標化し、未病改善の普及啓発につなげることを重要なミッションであると捉え、2017年より日本全国を対象とした一斉調査を開始いたしました。本調査は全国4,700人の男女を対象に、医師と共に設計した美容・健康に対する「意識」と「行動」に関する全55問の質問から成ります。8年間でのべ37,600,000人のデータを収集し、居住地、職業や働き方・年収、未婚・既婚、通院・既往歴、食事・睡眠・運動、嗜好品など細かいインサイトまで分析できるように設計しており、クロス集計により美容・健康に関する意識と行動の様々なデータをいろんな角度からみることができます。第8回目を迎える「ニッポン健康大調査2024」では、様々な医師監修の下、新たに未病対策の基本となる健康的な生活習慣の行動について複数の条件を掛け合わせ、都道府県ごとに「健康実行力」を算出しランキング形式にて発表します。
▼「健康実行力」算出のための“健康5項目”▼
■運動 :週に2回以上、30分以上の運動を行う
■食生活:朝食週に5回以上、間食・夜食をしない食事時間が20分以上
■睡眠:睡眠時間が6時間以上8時間未満、寝る前のスマホが1週間に1回未満
■嗜好品:飲酒週5日以下・1合以下、喫煙をしないまたはやめている
■ストレス:18項目のストレス尺度から、ストレスの強さを算出
- 調査結果サマリー
▼健康実行力 総合スコア
2024年 2.77pt(前年比+0.024)
▼健康実行力 5項目(前年比)
■運動: +0.010pt ■食生活:+0.011pt ■睡眠:-0.004pt ■嗜好品:+0.014pt ■ストレス:-0.007pt
《解説》
今年の「健康実行力 総合スコア」は、2.77ptとなり昨年より+0.024ポイント上昇する結果となりました。また健康への投資額においては前年比+489円と大幅な増加となっております。
次に「健康実行力5項目」では、運動、食生活、嗜好品の項目がプラスとなり、運動スコアは昨年対比+0.01、食生活も+0.01、さらに嗜好品スコアも+0.014上昇しています。中でも運動に関する行動変化が顕著に表れており、健康習慣に関する質問では、1週間の運動頻度は昨年対比+0.12と増加、1日の運動時間も+0.37増加しています。運動内容に関しては、スポーツジムやヨガ教室の利用が微増、水泳やサッカー、野球など屋外での活動が増えています。運動理由としては、趣味やダイエットを目的とした回答が多く、さらにストレス解消法においても、運動によるストレス解消を選択する回答者が+0.012増加しています。
これらの結果から、人々の活動はよりアクティブになっており、スポーツにおいても室内だけでなく、野球やサッカーなどアウトドアで行うスポーツ活動が増加している結果となりました。現在メジャーリーグやサッカーなど日本人選手が海外で活躍しており、その姿が増加のきっかけの一つとなった可能性があります。また、今年7月には世界的なスポーツイベントも開催されることから、さらなるスポーツや健康への関心の高まりが期待されます。
- 2024年 都道府県別 健康生活習慣実行力ランキング
1位 和歌山県(前年6位)、2位 大分県(前年30位)、3位 茨城県(前年5位)
47位 岐阜県(前年29位)、46位 青森県(前年46位)、45位 滋賀県(前年27位)
▼1位 和歌山県
前年6位からさらにスコアを伸ばし、全国1位へと登り詰めた。特に運動スコアが前年7位から上昇して1位を獲得、また、嗜好品スコア、ストレススコアも高くなっている。一方食生活に関しては全国平均を下回っており、バランスがいいとは言えない状況。特徴項目では、運動に関する項目が多く挙がっており、健康意識だけでなくストレス解消としても運動が活用されている。
▼47位 岐阜県
前年29位から大幅にスコアを落とし、全国最下位に転落。項目別でも全ての項目が全国平均を下回っており、特に食生活スコア、ストレススコアは全国最下位と低迷している。
特徴項目でも、ストレス尺度の各項目が上位に挙がっており、ストレスが高い状況が推察される。健康習慣でボクシング、スポーツジムが上位となっているのは特徴的。間食頻度が1位となっており、食生活スコアの低下につながっている。
- 健康実行力ランキング2024
詳しくはこちら:https://www.angfa.jp/health_survey/
- ドクターからのコメント
Dクリニック東京ウェルネス 医学博士 相良郁子
2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行したことで、日本もようやく「withコロナ」から「afterコロナ」に転換しました。今回2024年に実施した健康実行力調査では、前年と比較し、健康に対する国民の意識が高くなっており、まさに「afterコロナ」における良い傾向を感じ取ることができます。昨年には「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が策定され、「個人差をふまえ、強度や量を調整し、可能な範囲で少しでも身体を動かす」ことが推奨されました。
今回の調査では、運動に対する意識が相対的に上がっており、趣味やダイエットなどを通じて、楽しみながら運動を行っている方達が増えている理想的な傾向が見受けられます。
日常の中で無理なく、楽しく継続できる運動習慣を皆様のライフスタイルに合わせながら工夫して実践して頂けると、将来の心血管疾患、糖尿病、がん、メタボリックシンドロームなどの罹患率の減少だけでなく、抑うつや不安の減少、認知機能の改善などが見込めます。末永く健康的な生活を送るためにも、日常の中に積極的な運動習慣を取り入れていきましょう。