不動産投資ローンは、借り換えを行うことによって金利を下げ、利回りを向上できることがあります。うまくいけばメリットは大きいですが、誰でもできるものではなく、安易に行うと銀行との関係が悪くなることもあります。
不動産投資ローンの借り換えとは?
不動産投資ローンを利用している金融機関を変更することを「不動産投資ローンの借り換え」といいます。ローン借り換えの主な目的は、金利を下げることです。金利を下げることにより月次のローン返済額を減らし、キャッシュフローを増やすことが最終的な目標になります。
不動産投資ローン借り換えのメリット
①金利を下げることができる
②より実績のついた状態での金利交渉ができる
③信用力が向上することがある
不動産投資ローン借り換えのデメリット
①一度全額を返済しなくてはならない
②トータル返済額が下がるとは限らない
③必ず借り換えができるわけではない
④今の金融機関との関係性が悪化することがある
借り換えるべきかどうかの判断基準
不動産投資ローンの借り換えが有利になるかどうかは、一般に以下のような判断基準を目安とします。
借り換え前と借り換えた場合の金利差が1%以上
ローンの返済残高が500万円以上
返済期間の残りが10年以上
この3つの条件がそろっていれば、借り換えを検討する価値があります。
この判断基準は今まで述べたように、借り換えの際に発生する諸費用を考慮したものです。その費用発生を補えるだけの金利差がなければ、メリットを享受できないということになります。
まずは、この3つの条件がそろっているかどうかをチェックしてみましょう。
ローン借り換えで得する金額の計算方法
ローンの借り換えを検討すべき3つの条件がそろっていれば、今度は具体的な数値を計算することで、借り換えにメリットがあるかどうか判断することができます。計算式は以下です。
借換で得られる金額 =(現在のローン残額 ✕ 金利差 ✕ 残り借入期間)÷ 2
例えば、現在のローン残高が2,000万円、借り換えた場合の金利差が1%、残りの返済期間が10年あるとします。この場合【(2,000万円 × 1% × 10年)÷ 2 = 100万円】となります。つまり、借り換えを行えば100万円ほど負担が軽くなります。
この計算式では諸費用は考慮されていません。そのため、ローン残高の1%を諸費用として概算するという方法があります。これは、物件の状況や不動産投資家ごとに異なる条件のものですので、あくまでも目安であるということ前提としてください。その上で計算すると、先ほどの計算結果100万円からローン残高の1%である20万円を引き、80万円となります。

小井手 美奈子 (コイデ ミナコ) (1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®)
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