Q高血圧になる理由は?
画像提供 くさまみなとクリニック
生まれつきの体質、つまり両親や兄弟・姉妹に高血圧の人がいたら自分も高血圧になりやすい体質ということです。特に日本人は、食塩により血圧が上がりやすい人が多いことが知られています。(食塩感受性高血圧)
もうひとつが、食塩のとり過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、大量飲酒、喫煙などの生活習慣によるものです。
遺伝的要因は自分では変えられませんが、環境要因は自分で変えることができます。生活習慣を改めて、高血圧の予防や改善につなげましょう。
Q数値がいくつだと高血圧なんですか?
『下の血圧が80mmHg以上』『上の血圧が120mmHg以上』のどちらかひとつでも該当すると、『正常血圧』ではありません。
ガイドラインでは、高血圧をⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分け、疾病リスクとの兼ね合いで、いつどのように治療するかを医師が判断するようになっています。
正常高値血圧というのは、「高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベル」という意味で、高血圧予備軍を指します。収縮期血圧120mmHg~129mmHg、または拡張期血圧~79mmHgが正常高値血圧に分類されます。疾病リスクが高い場合は治療の対象となります。
Qどのくらいの人が高血圧?
60歳を超えると、約70%が高血圧の傾向にあると言われています。加齢に伴い、食塩摂取量と高血圧者割合がともに増加しています。60歳を超えると、その約70%が高血圧者という実態が報告されています。
Q血圧はいつ?どうやって測る?!
自宅での血圧の測り方
椅子に腰かけ、背筋を伸ばして測る
心臓と同じくらいの高さになる位置で上腕にカフ(ベルト)を巻き、椅子に腰をかけ、背筋を伸ばして測ります。1~2分安静にしてから測ると、数値が安定します。左右どちらの腕で測っても構いませんが、測るのはいつも同じ腕にしてください。左右で血圧に10mmHg以上の差がある場合は、高いほうの腕で測ります。手首や指で測る器具もありますが、上腕で測るほうが正確です。
動画で見る血圧計の使い方
- https://www.youtube.com/embed/f083VfK_n_M?rel=0上腕式血圧計(フィットカフタイプ)の使い方(1分5秒)
- https://www.youtube.com/embed/Z1QjraTpWb8?rel=0上腕式血圧計(軟性腕帯タイプ)の使い方(1分2秒)
- https://www.youtube.com/embed/Cxj1Lz4PGI0?rel=0手首式血圧計(HEM-6320/6310/HEM-6220シリーズ)の使い方(1分4秒)
- https://www.youtube.com/embed/tu6HDD70QYs?rel=0手首式血圧計の使い方(59秒)
- https://www.youtube.com/embed/oSj8SsatLrY?rel=0上腕式血圧計(全自動<腕を通す>タイプ)の正しい使い方 (1分53秒)
朝と晩に2、3回ずつ測る
生活のリズムに合わせ、ほぼ同じタイミングで、朝と晩に2、3回ずつ測るのがいいでしょう。複数回測るのは、1回ではたまたま高かったり低かったりするからで、複数回測った平均値を記録します。飲酒や入浴は血圧に影響を与えるので、飲酒や入浴後は、少し時間をおいて測ってください。夜は、寝る前に測るのがお勧めです。
起床後1時間以内に測る
脳梗塞や心筋梗塞は、起床後1時間以内に起こることが多いので、起床後すぐの血圧測定は大事です。基準値を超える血圧になっていれば、早朝高血圧です。
トイレを済ませてから測る
膀胱[ぼうこう]に尿が溜まっていると、交感神経が刺激され、血圧が高めに出ます。
食事をする前に測る
食事をしたあとは血圧が上がります。定期的な血圧は、食事の前に測りましょう。
薬を飲む前に測る
降圧剤を飲むと血圧が下がり、本来の血圧が分からなくなるので、飲む前に測ります。
24時間血圧計を活用する
定期的に血圧を測るのが、ストレスになったり無理だったりする場合は、24時間血圧計を利用するという手があります。これは上腕に装着する血圧計で、20~30分置きに、自動的に血圧を測ってくれます。1日の血圧の変動が分かるので、高血圧症の診断に有効です。健康保険が適用されますが、欠点は睡眠の邪魔をする場合があることです。希望する人は高血圧の専門医に相談するといいでしょう。
まとめ
高血圧症を放置していると、心筋梗塞や脳卒中、腎臓病といった重大な病気を引き起こしますが、高血圧症のほとんどは、動脈硬化が原因の生活習慣病といえるので、生活習慣を見直すことで改善できます。高血圧を軽く考えず、日常生活を工夫して血圧を下げるようにしましょう。
出典:一般向け「高血圧ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話(日本高血圧学会)