あなたは「実家じまい」という言葉をご存知ですか。実家じまいとは、実家の両親が亡くなり住む人がいなくなった時や高齢になって子供の近くに住んだり病院や施設に入る場合等に、実家を整理して引き払うこと及び家や土地を売却・処分することを言います。核家族化が進んだ昨今、親が高齢になったり亡くなったら自分が実家じまいをすることになるかもしれないという方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、アンケートをもとに実家じまいのきっかけや大変だったことについて掘り下げていきます。他人事ではないかもしれない大切な問題を一緒に考えていきましょう。
実家じまいは大変でしたか?
今回のアンケートでは、実家じまいの経験者に実体験についてご回答いただきました。まずは、実家じまいが大変だったかを尋ねました。
なんと92.1%もの方が実家じまいは大変だったと答えました。
家を丸ごと一軒引き上げ、しかも引越しのように荷物をそのまま別の家に移せるわけではなく、大幅な荷物整理・処分が必要になるため作業量が多いと予想されます。家の荷物を片付けられたとしても、家や土地の売却がうまくいくとは限りません。
実家じまいでやることは何かと大変なことが多いものですが、その前提となる「実家じまいの決断」にも目を向けてみましょう。
実家じまいを決断するきっかけは?
両親や祖父母が暮らしてきた家・自分が育ってきた家を自らの手で処分することになる実家じまい…実作業だけでなく、精神的にも重い決断になることが多いのではないでしょうか。そんな大きな決断のきっかけとなったのは何だったのでしょうか。アンケートで回答者の経験について尋ねました。
両親が亡くなったり施設や病院に入り住む人がいなくなった
最も多かった理由は「住む人がいなくなった(57.4%)」であり、約6割が実際に居住者がいなくなったことをきっかけに決断し、空き家になることを避けた・空き家を処分した(「空き家のままだった(5.0%)」家を処分した)ことがわかりました。
住む人がいなくなった理由は「両親とも亡くなった(28.7%)」・「親が施設・病院に入った(12.9%)」ことで実家に戻って暮らすことが難しい状態になったケースが主でした。
実家を維持し続けられなくなった
「実家の維持管理が大変だった(15.8%)」ことも実家じまいの代表的なきっかけの一つです。この大変さには2つのポイントがあります。
1点目は家屋や庭の維持管理が難しい場合です。居住者が高齢で家のメンテナンスや庭のケアができなくなり、家屋の壊れた部分が放置されたり、草木が生い茂ったり、敷地に物が置きっぱなしになったりすることで近隣の迷惑になってしまうことがあります。離れて暮らす家族がフォローする場合にも、通ってケアを続けるのは現実的に難しくなる場合が多いようです。
これは、居住者がいなくなり空き家となった家を維持する際も同じです。一時的な空き家状態だから維持したい、親の意思で実家をそのまま持ち続けたい、いつか子供が暮らす時まで維持したい等の理由で実家のメンテナンスを続けていた場合にも、実際にはこまめに続けることが難しく近隣の苦情が出てしまったりして維持できなくなり諦めたケースも多々見受けられました。
2点目は費用という観点での維持管理です。具体的には、固定資産税等の税金やケースによってはライフライン等の費用等があります。空き家であっても維持し続ける限りは固定資産税等がかかり、高額で支払いが苦しく感じるようになって手放したという声が頻繁に聞かれました。
高齢になったことで次の生活ステップへ
両親等の居住者がいる場合にも、年齢や生活に合わなくなった家を実家じまいして新しい生活を始める方が多くいらっしゃいます。
実際、「新しい家を購入・契約した(5.9%)」・「同居することになった(6.9%)」ケースがよく見られ、そのきっかけのとして「親が高齢になった(7.9%)」・「親の健康・安全が心配(4.0%)」・「建物の老朽化(5.9%)」・「生前整理がしたかった(4.0%)」等がありました。
実家じまいにはどのくらいの期間かかりましたか?
実家じまいをするためには、まずは実家にあったものを整理処分し、家を空っぽの状態にしてから、土地や家を売却したり家屋を処分する必要があります。
それまで住んでいた親等の本人がいて意思疎通が良好にできる状態なら良いのですが、そうはいかないことも多々あるでしょう。自分のものでなく重要度もわからないものを取捨選択したり処分したり、長年ため込んだ荷物の整理処分をするのは多くの時間がかかります。
そこで、実家じまいにどれくらいの期間がかかったかを尋ねてみました。
最も多かったのは「約半年(42.6%・半年から1年未満程度)」で、半数弱の方が当てはまりました。続いて「数ヶ月(30.7%)」が多い結果となりました。
一方で1年以上かかった方は合わせて26.7%であり、約3割はいわゆる「年単位での長期戦」だったことがわかりました。
忘れてはならないのは、この実家じまいの期間にも家や庭の維持管理が必要で、荷物整理等に上乗せした作業のように感じられる場合があることです。ケースによっては、空き家の継続・大量のゴミ出し等に関して近隣への配慮や挨拶回りが必要になることもよくあるでしょう。
これから実家じまいを考えている方にとって念頭に置いておきたいポイントではないでしょうか。
実家じまいは単純作業だけでなく、普段思いもしないような様々な側面で苦労をすることがあるのです。
実家じまいをする際に大変だったことは?
前述のように、実家じまいを大変と感じた方は9割を超えていましたし、単純作業だけでなく様々な問題が付随することがわかりました。
では、今回のアンケート回答者にとって具体的に大変だったことは何でしょうか。多くの方が苦労したことは何だったのでしょうか。経験者に詳しく尋ね、記述回答を分類化して分析しました。
荷物の整理・仕分け・処分
最も多かったのは「荷物の整理(40.6%)」で、それに伴う「不用品・ゴミの処分(38.6%)」・「家具・家電の処分(18.8%)」や、処分等のための「荷物の移動(5.9%)」が大変だったという声が多く聞かれました。不用品を処分するだけでも思ったよりお金がかかり「費用の確保(5.9%)」が大変なことも多いようです。
ものを大切にし長く使うことを良いこととする昔ながらの文化の影響もあり、とにかく貯め込んだ荷物量が多く「作業量の多さ(15.8%)」が苦しかったケースが非常に多いようです。
しかも単純作業でなく「荷物の要・不要の仕分け(29.7%)」を一つ一つ検討する必要があり、思い出のものが多くて処分するのにためらう・自分のものでないので判断しづらい・本人の思いがわからない・荷物の価値がわからない等、悩むことが多く手が止まりがちで進まないのが現実のようです。
また、写真や思い出の品、故人が大切にしていたかもしれない物等「捨てづらいものの処分(7.9%)」に苦労した方も多くみられました。
家や土地の売却・処分
「家や土地の売却(7.9%)」も実家じまいにとって非常に大きな問題です。
せっかく家の整理や片付けが終わっても、家や土地の買い手がつかない・条件に合わないことに苦労する方は多いようです。
また、解体工事の高額な費用が捻出ができない・空き家状態が続いて近隣に迷惑がかかる等、家や土地の売却・処分には実に様々な問題があることがわかりました。
実家に置いてあった荷物はどうした?
実家じまいにおいて特に大変なのは荷物の整理・仕分け・処分であることが分かりましたが、実家じまいの際に実家に置いてあった荷物をどのように対処した方が多かったのでしょうか。
一番多かったのは「一部廃棄・大切なものは保管(55.4%)」でした。物の劣化や整理量の多さから不用になったものは処分と結論づけられることが多い傾向でした。
まだ使えそうなものがある場合等は「使えるものはリサイクルショップ等へ売却・大切なものは保管(23.8%)」・「使えるものは人へ譲る・大切なものは保管(5.0%)」という選択肢も選ばれていました。
「全て廃棄(11.9%)」できた方はわずか約1割にとどまり、「全て保管(2.0%)」できた方はさらに稀であったことがわかりました。
実家じまいで荷物を整理していて大切なものは結構あった?
大切なものは保管すると答えた方が多く見られましたが、実家じまいの荷物整理の際、大切なものはどれくらいあると感じられたのでしょうか。
約半数の52.5%が「まあまああった」と答えました。「たくさんあった(18.8%)」と合わせると約7割(71.3%)は、少なくともある程度の量のものを大切なものと感じ保管を選んだことになります。
捨てられなかったものの保管場所確保は大変?
実家の荷物整理の際に見つかった大切なものは、実家じまいの終了後にも保管し続けることになる場合が多いでしょう。その保管場所の確保は大変だと感じている方はどれほどの割合なのでしょうか。
約6割(60.4%)の方が捨てられない大切なものの保管場所の確保が大変だったと答えました。
保管するものは実家じまいの作業者が自宅に持ち帰って保管することが多いといえますが、いくら大切で残しておきたいとはいえ、自宅等の限られた収納スペースに実家一軒分から選んだ大切なものを持ち帰って保管するわけですから、どうしてもスペースを圧迫したり置き場所がない状態になりがちです。
また、この背景として、置き場所が確保できないから大切なものを泣く泣く処分せざるを得ない状況も多々あったであろうことは忘れてはならないポイントです。
大切なものを保管するためにトランクルーム利用を検討した?
実家じまいをすることで、現在の自宅に大切なものを持ち帰り保管する場合があり、それらが収納スペース・生活スペースを圧迫したり邪魔になってしまう場合も多々あります。
そんな時にお役に立つのがトランクルームです。大切ものを保管するスペースとして便利なのはもちろん、大切なものを自宅で保管するために季節ものの荷物や使用頻度が低い荷物等をトランクルームに保管して自宅のスペースを空ける方法もあります。
アンケート回答者は実家じまいの際、大切なものの保管のためにトランクルームの利用を検討したのでしょうか。
実家じまいにおいて大切なものを保管するためにトランクルームの利用を検討した方は18.8%でした。
大切なものの保管場所確保に苦労した方が約6割であったことを踏まえると、保管場所に困った方のうち約3人に1人はトランクルーム利用を考えたことがわかり、保管スペースを増やす手段としてトランクルームという選択肢が浸透してきていることがわかります。
そのうち実際に利用した方はどのくらいの割合だったのでしょうか。
トランクルーム利用を検討した方のうち実際に利用したと答えた方は15.8%でした。
立地条件・費用面・なんとかスペースが事足りた場合等様々な要因で利用しなかった方が多いようですが、実際に使ったイメージがわかず利用に踏み切れなかったケースも多くみられます。そこで、実際に利用した方がどう感じたのかをまとめて分析していきましょう。
トランクルームを利用した人の感想
トランクルームを利用したと答えた方に利用してみた感想を尋ねたところ、
- 自宅で確保できない保管スペースができて助かった
- 家がスッキリ片付いた
という意見が多く聞かれました。実際の回答者の感想(抜粋)はこちらです。
■User’s Voice
- 保管場所が確保できとても役に立った。(40代・WEBデザイナー)
- トランクルームが無かったら、私の家に保管をすることになったと思うので、利用出来て助かった。(40代・自営業)
- 保管場所がなく、とりあえずトランクルームを借りてみる事にしたら、片付いてスッキリして良かったです。(50代・介護職)
実家じまいをしてみて感じたこと
アンケートの最後に、実家じまいをしてみて感じたことを尋ねたところ、実体験者ならではの深い言葉が並びました。いくつか抜粋してご紹介します。
■User’s Voice
- 古い実家を維持する事で発生する心配や手間、税金などを考えると早く実家じまいはした方が良いと思う。これからは空き家問題なども法で整備されていくので尚更だと思います。さらに思い出が詰まった実家が放置されて朽ちていくのを見るのも辛いので、売却したりしてまた人の役に立ってくれる姿を見たいと私は思いました。(50代・パート)
- 荷物の整理は本当に大変です。両親の下着1枚見るだけでも涙が出るほど精神がやられます。なので、私は子供たちにこのような思いをさせないために、できるだけ物を増やさないように心がけているところです。(50代・派遣社員)
- 保管物を決める際、私と母の価値観が合わず、母の意見を尊重すると保管物がどんどん増えてくるので、ある程度説得するのに苦労しました。(50代・会社員)
- 本当に荷物の置き場所に困ったので、トランクルームの利用をすればよかったと思います。(20代・ライター)
- 親が生きている間に、登記など大事なことを確認しておけば良かったと思います。徐々に断捨離を勧めておけば良かったです。(50代・会社員)
- 寂しい気持ちとすがすがしい気持ちの両方が押し寄せてきました。(20代・会社員)
- 思い出に浸りながらも次のステップに進むためにいいと思った。(30代・幼稚園教諭)
- 迷ったけど、実家じまいをしたことが結果的に誰かのためにもなったので、良かったです。(30代・会社員)
膨大な量の荷物整理や処分に追われるだけでなく、帰る場所がなくなるような寂しさや、年老いた・亡くなった両親の存在を改めて感じることもある実家じまい。それを自ら決断し進めることは決して簡単なことではありません。
しかし、実家じまいをした方の感想にもあったように、実家じまいは結果的に周囲や後世のためにもなります。
お世話になった思い出いっぱいの実家に感謝の気持ちを込めて前向きに実家じまいをして、荷物整理で見つかった大切な思い出のものはずっと保管して、実家の写真も撮っておいて、家の思い出とともに後世に語り継げると良いですね。
調査結果を受けてのまとめ
今回はアンケート結果をもとに、実家じまいについて考えてきました。実家じまいという大きな決断をしたきっかけから、どのような大変なことがあったか、また、トランクルーム活用のメリットについてもお話しました。
精神的にも作業量的にも大変なことが多い実家じまい。中でも荷物の整理・仕分け・処分と持ち帰っての保管は特に大変なことがわかりました。
荷物の整理で見つかった大切なものは、家族の歴史であり、かけがえのない思い出であり、その日々が実家とともにあった証でもあります。だからこそいつまでも感謝の気持ちを忘れず、大切に保管しておきたいものですね。
そんな思い出の品を保管するスペースの選択肢として、また荷物の整理を効率化する助けとしてトランクルームがお役に立てればこれほど嬉しいことはありません。
【調査概要】
調査対象:トランクルームユーザー調査
回答数:100サンプル
回答期間:2022年7月15日から7月19日までの5日間
調査方法:インターネットによるユーザーリサーチ
■会社概要
社名 :株式会社アンビシャス( https://www.ambitious8.biz/ )
所在地 :〒542-0081 大阪市中央区南船場1丁目3-5 リプロ南船場8F
代表者 :代表取締役社長 徳永 暢也
資本金 :4,000万円
設立 :創業:平成17年10月28日、設立:平成18年7月25日
事業内容:トランクルーム投資「収納ピット」FC本部の運営
運営サービス「収納ピット」(https://www.syuno-pit.biz/)
不動産コンサルティング業