離れて暮らす高齢の親の健康を心配している人 76.2%。そのうち7割が親の健康に対して行動できていない実態が明らかに。さらに、親の健康に対して行動している人の6割が「もっと早くサポートすべきだった」…

全国の40-60代男女1,200名に聞いた「高齢の親の健康サポートに関する意識と実態調査」

●コロナ禍で“親に会えなくなった”人の差 4倍!実家との距離1時間の壁。
●コロナ禍で親に会えない中、親との距離が1時間を超える人の8割が親の健康をサポートできていない。
●離れて暮らす親の健康に対する3大不安 「コロナ感染」、「運動不足・体力低下」、「脳機能低下」
●離れて暮らす親の健康サポート 具体的な目的を持ったサポートよりも 「こまめな連絡・こまめに会う」
●離れて暮らす親の健康のために商品・サービスを渡した・贈った経験  3割
●離れた親への健康サポート商品 「サプリメント・健康食品」・ 「健康グッズ・健康機器」 が人気。
 “TVスピーカー”・“家庭型ロボット”など最新テクノロジーにも注目
●健康サポート商品を贈った結果「親の満足度が向上」30.6%。 自分自身の満足度も高まる傾向

一般社団法人ウェルネス総合研究所では、離れて暮らす高齢の親を持つ全国の40-60代男女 1,200名を対象に「高齢の親の健康サポートに関する意識と実態調査」を実施しました。

   高齢化と単独世帯化が進む日本においては、65歳以上の高齢者の約5人に1人が一人暮らし*とされています。また、65歳~84歳男女においては、高齢の夫婦のみ世帯数が最も多く*、老々介護の問題も指摘されています。高齢者のみの世帯数が増えている中、高齢の親と離れて暮らす子が、親の健康に対して心配していることやどのようなサポートを行っているかを明らかにするための調査を行いましたのでご報告いたします。(*総務省統計局「令和2年国勢調査」より)

■調査概要

・調査名  高齢の親の健康サポートに関する意識と実態調査

・調査主体  一般社団法人ウェルネス総合研究所

・調査方法  インターネットによるアンケート調査

・調査期間  2023年6月7日(水)~8日(木)

・調査対象者  離れて暮らす高齢の親を持つ全国の40-60代男女1,200名

   ※各年代男女 200名均等割り付け

   ※父親・母親のいずれか又は両方の親を持つ人(義理の親を除く)

※数値については、小数点第1位までの掲載としています。回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。

◇離れて暮らす親の健康を心配する人 76.2%。一方、7割近くが親の健康をサポートをできていない実態

 40~60代の離れて暮らす親がいる男女1,200名に「親の健康を心配することはありますか」と聞いたところ、76.2%の人が「心配する」(「よく心配する」と「ときどき心配する」の合計)と回答しました。

 一方、離れて暮らす親の健康を心配している人(914名)に「親の健康のためにサポートを行っているか」を聞いたところ、「サポートを行っている」(「頻繁に行っている」と「たまに行っている」の合計)と回答した方は32.3%にとどまる結果になっています。

 離れて暮らす親の健康を心配する一方、実際には7割近くの人が親の健康をサポートできていない実態が明らかになっています。

◇離れて暮らす親の健康をサポートしている人のうち6割が「もっと早くサポートすべきだった」

 離れて暮らす親の“健康をサポートしている”と答えた人(321名)に「もっと早くからサポートするべきだったと思うか」を聞いたところ、60.1%の人が「もっと早くからサポートすべきだった」と思っていることがわかりました。また、離れて暮らす親の“健康をサポートしてない”と答えた人(879名)に「今後、サポートをしたいと思いますか」と聞いたところ、63.6%の人が「今後サポートをしたい」 (「とても思う」と「多少思う」の合計)と思っていることがわかりました。

 サポートしている人の6割が「もっと早くサポートすべきだった」と感じていることから、今現在、親の健康をサポートをしていない人は、早くサポートをしてあげた方がよいという示唆が伺える結果になっています。

◇コロナ禍で“親に会えなくなった”人の差 4倍!実家との距離1時間の壁。

 離れて暮らす親に会った頻度を「コロナ前」と「コロナ中」のそれぞれについて聞いたところ、「コロナ中」に親と会えた頻度は、親との距離によって差があることがわかりました。「コロナ中」では、「ほとんど会わない」計(「数年に1回程度」と「会うことはほとんどない」の合計)が親との距離1時間以内の人では11.4%、1時間を超える人では42.7%と4倍近い差が生じています。親との距離が1時間を超える人でも、「コロナ前」にほとんど会わなかった人計は21.0%だったのに対して、「コロナ中」は42.7%と2倍近く増えており、新型コロナウイルスの影響によって親に会うことが難しくなった実情が伺えます。

◇コロナ禍で親に会えない中、親との距離が1時間を超える人の8割が親の健康をサポートできていない

 コロナ禍で離れて暮らす親に会えない中、親の健康のためのサポートについても、親との距離1時間を超える人は、8割以上の人が「サポートを行っていない」結果になっており、親との距離1時間以内の人と20%以上の差が生じています。

 新型コロナウイルスは、親の健康のためのサポートに対しても少なくない影響を与えたと考えられ、アフターコロナでは、積極的な親の健康に対するサポートが期待されます。

◇離れて暮らす親の健康に対する3大不安 「コロナ感染」・「運動不足・体力低下」・「脳機能の低下」

 離れて暮らす親の健康に対して「心配している具体的な健康状態」について聞いたところ、父親では「新型コロナウイルスの感染」 34.0%、「運動不足・体力低下」 32.5%、「具体的な症状はないが、なんとなく心配」30.2%の順という結果になりました。一方、母親では「運動不足・体力低下」 39.7%、「新型コロナウイルスの感染」 35.3%、「もの忘れ・認知機能の低下」 32.3%という結果になっています。また、「もの忘れ・認知機能の低下」 と「認知症」の2つを合計した“脳機能低下”でみると父親・母親それぞれ49.5%、57.1%とトップとなり、親の脳機能低下に対する心配が顕著な様子が伺えます。

 父親に比べて母親では「新型コロナウイルスの感染」よりも「運動不足・体力低下」が心配といった傾向があるものの、父親・母親の健康に対する3大不安は「新型コロナウイルスの感染」と「運動不足・体力低下」、「脳機能低下」といえる結果になっています。

◇脳機能低下が気になりだす親の年齢「70歳ごろ」から増加。認知症予防は早めの対策が重要

 離れて暮らす親の「もの忘れ・認知機能の低下」、「認知症」が気になりだした親の年齢を聞いたところ、父親・母親共に「70歳ごろ」からの回答が増えはじめ、「80歳ごろ」からが最も多い結果になっています。

 アルツハイマー型の認知症の原因と考えられているアミロイドβの蓄積は、認知症が発症する20年以上前から始まっているとされています。そのため脳機能低下の対策は、早めの対策を行うことが大切になります。

◇「あてはまるものがない」2位 33.8% 親の脳機能低下のための対策、理解されていない現状

 離れて暮らす親の「もの忘れ・認知機能の低下」、「認知症」を心配している人に対して、脳機能低下のために「行った方がよいと思う対策」について聞いた結果では、最も多い回答は「適度な運動」(34.5%)でした。一方、ほぼ同数の人が「あてはまるものはない」(33.8%)と回答しており、親の脳機能低下に対してどのような対策を行うべきか理解されていない現状が浮き彫りになっています。

◇離れて暮らす親の健康のためのサポート内容 具体的な目的を持ったサポートよりも、「こまめな連絡・面談」

 離れて暮らす親のためにサポートを行っていると答えた人(321名)に「具体的なサポートの内容」を聞いたところ、「こまめに会いに行く」( 61.7%)と「こまめに連絡する」( 59.8%)が顕著に高い結果になっています。

 具体的な目的を持ってサポートを行っているというよりも、こまめに連絡をして近況を把握する、こまめに会って“そのときの状況に応じて柔軟にサポートする”といった傾向が伺えます。

◇離れて暮らす親の健康のために商品・サービスを贈った経験  3割。子の年齢が高くなるほど増える傾向

 離れて暮らす親の健康のために直接会ってサポートすることは、肉体面や精神面でも、また物理的にも金銭的にも負担が大きくなります。そのため、離れて暮らす親のために「健康によい商品やサービスを渡した(届けた・贈った)ことはありますか」と聞いたところ、「ある」と答えた人が全体の29.2%という結果になりました。年代別にみると、子の年齢が高くなるほど「健康のために商品・サービスを渡した経験」が高くなる傾向になっています。

◇離れた親への健康サポート商品 「サプリ・健康食品」、「健康グッズ・機器」 が人気。「TVスピーカー・家庭型ロボット」など最新テクノロジーにも注目

 離れて暮らす親の健康のための商品・サービスを渡した(届けた・贈った)経験を持つ人が、実際にどんな商品・サービスを渡したかを聞いたところ、 「サプリメント・健康食品」、 「健康グッズ・健康機器」 が共に38.9%で1位となっています。また、「ゲーム機器」や「TVスピーカー」、「家庭型ロボット」などの最新テクノロジーが使われた機器を渡した人が11.7%*(41名)という時代性を反映した結果になっています。新しい技術、新商品の開発が進むにつれ、離れて暮らす親の健康のための健康サポート商品のニーズは、高まっていくかもしれません。(*複数回答設問につき、ユニーク回答者数を算出)

◇健康サポート商品を渡した結果「親の満足度が向上」 30.6%。自分自身の満足度も高まる傾向

  離れて暮らす親の健康のために商品・サービスを渡した(届けた・贈った)経験を持つ人に対して、渡した結果を聞いたところ「親の満足度・安心感が高まった」 が30.6%と最も高く、つづいて「自分自身の満足度・安心感が高まった」 20.6%という結果になっています。

  離れて暮らす親の健康を会って直接サポートできなくても、健康サポート商品を渡すことで、親だけでなく、自分自身の罪悪感も軽減され、満足感・安心感が高まっている様子が伺えます。

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