半数以上が3年未満で自宅介護から施設へ
私も認知症の母と暮らしています。
いままではなんとか暮らしていましたが、先日気が付いたら庭まで靴を履いて出て行っている母をみつけて唖然としました。 普段は家の中でもデイサービスでも車いすで生活しているのに・・・・
失くなっている友人に会いに行く途中だと言うんです。
さすがに家で介護する自信をなくしましたが、その時にこのアンケートを知り、大きくうなずいたものです。 このアンケートは今の介護の現実だと思われます。 帰省時に親に会うとき、ちょっとこのアンケートの事思い出してみて下さいね。
調査サマリー
- 入居を決めたきっかけとして46%が認知症を、33.3%が認知症以外の疾患をあげている
- 認知症の症状の中できっかけとなった理由として多く挙げられたのは「排せつの失敗」「お金の管理ができない」
- 認知症以外の疾患では「骨折」「脳血管疾患」が最多で、「糖尿病」がそれに続く
- 入居前、自宅での介護期間は1年以上2年未満が18.5%で最多
- 50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している
50%超が、要介護2以下で介護施設へ入居している
入居時の要介護度として最も多かったのが、立ち上がりや歩行などが自力で出来ない場合が多く、排泄や入浴などにも介助が必要な「要介護2」という状態で、全体の16.7%を占めました。「要介護1」の15.8%、「要介護3」の15.4%、「要介護4」の12.7%と続きます。
公的な介護施設である、特別養護老人ホームへの入居条件は原則として要介護3以上です。しかし、今回の調査では要支援1以上、要介護2以下で施設へ入居した方が54.6%を占め、介護度が比較的軽度でも施設入居を必要とすることは珍しくないと言えるでしょう。
入居のきっかけとなった状況の第1位は認知症
入居を考えるきっかけとなった状況について聞いたところ、46.0%に「認知症」が、33.3%に「認知症以外の疾患」があったという結果になりました。また、「入院していた」は29.6%、「特に疾患がなかった」 は12.7%となりました。
認知症の症状では「排せつの失敗」「お金の管理ができない」が上位
入居を考えるきっかけとして認知症の症状をあげた920人に、介護施設入居に強く影響した認知症の症状を3つまで聞いたところ、「排せつの失敗をする」(32.3%)、「お金の管理ができない」(29.0%)、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」(18.2%)が上位3項目となりました。これらの症状が、自宅での生活を続けられるかどうかに大きく関わっていると言えます。
認知症以外の症状では「骨折」「脳血管疾患」「糖尿病」が上位に
認知症以外の症状が入居のきっかけとなったと答えた666人に、強く影響した症状を3つまで聞いたところ、「骨折」と「脳血管疾患」が共に17.0%でトップとなり、次いで「糖尿病」(15.9%)という結果になりました。
骨折や脳血管疾患は、それがきっかけで日常生活に影響が出ると考えられますし、糖尿病は食事のコントロールを専門家に任せたい疾患であるため、それぞれが上位にあがるのも納得の結果と言えるのはないでしょうか。
約6割が自宅で介護をしてから3年未満で入居を決めている
入居前にどれだけ自宅で介護をしていたかを聞いたところ、介護をしていたケースでは「1年以上〜2年未満」が18.5%で最も多く、次が「2年以上〜3年未満」の14.4%、「6ヶ月以上〜1年未満」が12.1%で続く結果になりました。自宅での介護期間があるケースでは3年未満の合計が59.6%と、約6割のケースで自宅介護から3年以内に施設介護へと切り替えていることがわかります。
また、「自宅での介護期間はない」と答えた方は15.4%となり、全体では2番目に多いケースであることがわかります。ケガや病気で入院し、退院後に自宅で暮らすことが難しくなったケースなどが考えられます。老人ホームへの入居は自宅介護の末にたどり着くものというイメージが強いですが、突然入居が必要となり、急いで情報収集をしなければいけなくなることもあるのです。
今回の調査を受けて「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹のコメント所感
今回の調査では、多くの方がどんなタイミングで入居を決断しているかを可視化することができました。老人ホームは介護度が重く寝たきりの方が入るイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。実際に、公的な入居型の介護施設である「特別養護老人ホーム」は原則要介護3以上の、身の回りのことほとんどに介助が必要な方でないと入居ができません。
しかし、調査結果を見ると要介護2以下でも介護施設へ入居した方が半数以上いらっしゃいます。身の回りのことがある程度できていたとしても、認知症により排せつに失敗してしまうことがある、またはご自身でお金の管理ができない、暴力を振るってしまうなどの症状がある場合、自宅で生活を続けることが困難になる場合があると、調査結果から見受けられました。
老人ホームの入居相談を受けていた経験から、ご家族の入居を躊躇っている介護者の方には入居の決断タイミングの目安としてこんなことをお伝えしていました。
「睡眠時間を削って生活に支障を来す、または精神的・肉体的な負担が限界を迎える前に、ご家族の入居を考えましょう」。
介護はいつ終わるかわからないもの。続けられる介護であることが一番重要です。
また、自宅介護の期間がないまま老人ホームへ入居する方も一定数いらっしゃり、老人ホームの情報が突然必要になる場合も考えられます。親の介護が始まる前から、少しずつでも介護保険や老人ホームについての情報を入手しておくことをお勧めします。
LIFULL 介護が運営するオウンドメディアでも介護施設への入居タイミングに関する記事を公開中です。
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