大人気エッセイスト・群ようこ最新刊『老いてお茶を習う』2024年3月25日(月)発売!

株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、取締役 代表執行役社長 CEO:夏野剛)は、68歳にしてお茶を習うことになった、群ようこさんのエッセイ『老いてお茶を習う』を、2024年3月25日(月)に発売します。

60代で新しいことを始めた群ようこさん。古稀の手習いの、冷や汗とおもしろさと。読みやすくて、共感できる失敗がいっぱい!

  • 老いてなお、新しいことを学ぶおもしろさを綴るエッセイ。

恥ずかしい失敗ばかり、でも古稀の手習いは、楽しい。

齢六十八にして、お茶を習うことになった。果てがない稽古が始まった。初めてのお茶のお稽古。お手本を見ても、「はああ?」というしかない。「何度もやっていれば、そのうち慣れるから、大丈夫ですよ」と声をかけてくださったが、前期高齢者の脳で、本当にあんなにうまくできるようになるのだろうか。教えてもらっては忘れ、忘れては覚え直し。そうしていつの間にか季節は巡っていく――。

  • そもそも、なぜお茶を習うことに?

齢六十八にして、お茶を習うことになった。事のはじまりは、今から二十年以上遡るのだが、当時、私の担当編集者の女性と、還暦を過ぎたとき、自分たちはどうしているかといった話をしていた。私は、

「いつまで仕事をいただけるかわからないけれど、仕事があればずっと続けていると思いますけどね」

といった。私よりも二歳年上の彼女は、

「私はお茶の先生ができればいいなと考えているのですけれど」

というので、

「そうなったら、私もお弟子になる」

といったのである。

そしてそれから年月は経ち、おかげさまで私は仕事を続けられ、彼女も六十代後半で勤めを終え、茶室を披くことになったとご連絡をいただいた。彼女の茶道の師匠が教室を閉じることになり、お道具類の一部を譲り受けてのことという話だった。当然、私はお弟子になるといったのを反古にすることができなかった。やる気まんまんだったのだが、一緒に暮らしていた超高齢ネコの健康のことや、引っ越しの予定などが重なり、すぐにはお稽古にうかがえなかった。その後、老ネコを見送り、引っ越しも済ませ、仕事の段取りもつけて、やっと二〇二三年から、今は我が師匠となった彼女のところで、お稽古ができるようになったのだ。

(本文より) 

  • 著者プロフィール

群ようこ(むれ ようこ)

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。『無印良女』をはじめとする「無印」シリーズで人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』『老いとお金』など著書多数。

  • 書誌情報

『老いてお茶を習う』

著者:群ようこ

発売:2024年3月25日(月)
定価1,870円(本体1,700円+税)
判型:四六判

ページ数:288ページ

ISBN:978‐4‐04‐114849‐5

発行:株式会社KADOKAWA

KADOKAWAオフィシャル 書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000844/

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