株式会社山田養蜂場(本社:岡山県苫田郡鏡野町市場、代表取締役:山田英生、以下山田養蜂場)は、全国の自社の通販会員のうち、30歳以上の女性3,366名を対象に、健康に関する意識調査を行いました。その結果、人に相談しにくい悩みとして多数を占めたのは「頻尿、尿漏れ、膀胱炎」でした。
調査によると、30~40代の5人に1人が、尿トラブルを抱えていることが判明。中には、誰にも悩みを打ち明けられず、旅行や趣味に対して消極的になり生活の充実度に影響を及ぼしている方も。
専門家によると、尿トラブルは「尿もれ」「頻尿」「膀胱炎」「残尿感」の4つがあり、「膀胱炎」以外の3つの症状は互いの症状を誘発する事が多く、包括的な対策が必要になるとのこと。
今ではこれらの症状は通院により必ず改善につながるので、「女性の排尿悩みはタブー」という古い概念を払拭することも重要なのだそうです。また医療処置だけではなく、ちょっとした生活習慣で改善できる具体策として、ウォーキング、入浴・夕食時間の工夫、サプリメント摂取などが挙げられました。【調査サマリー】
・人に相談しにくい悩みについて、「頻尿、尿漏れ、膀胱炎」については(71%)となり全項目中最も高い結果となった。
・悩みを抱えている方は、年代別にみると70代(33%)、80代(44%)が高い。
・30~40代の5人に1人が悩みを抱えていることが判明。
・悩みに関する情報の集め方は、全世代でインターネット検索が最も高く、全体平均(52%)となった。
・主な尿トラブル内容は、力んだ拍子に漏れる(48%)、頻繁にトイレに行きたくなる(37%)、などのトイレ関連の内容が上位。
・日常生活における支障については、トイレの場所を確認しないといけない(48%)、服・下着が汚れる
(33%)、交通機関の移動(29%)、臭いが不安(25%)が上位。これらは全ての年代に共通してみられるが、服・下着が汚れる、臭い、移動中の不安などといった事は30~50代に高い傾向。
・悩みを抱えている方のうち、43%が何らかの対策を実地している。
・対処方法としては、尿漏れパット(64%)、トイレの場所を確認(50%)、筋トレ(45%)が上位。
■調査概要
【調 査 名】 山田養蜂場「女性用排尿障害対策商品 アンケート調査」2019年
【調 査 方 法】 インターネット調査
【対 象】 山田養蜂場の通販会員30代~80代の女性
【実 施 期 間】 2019年9月17日~9月20日
【サンプル数】 3,366人
- 女性に多い身体のお悩みの内、‟あなたが人に相談しにくいお悩み”はどれですか?(複数回答)
①肩こり、腰痛、頭痛
②頻尿、尿漏れ、膀胱炎
③便秘、下痢
④体毛
⑤体型
⑥むくみや冷え、貧血⑦その他
- 排尿に関するお悩みのうち、どのようなお悩みをお持ちですか?(複数回答)
・主な尿トラブル内容は、力んだ拍子に漏れる(48%)、頻繁にトイレに行きたくなる。などのトイレ関連の内容(3割強)が上位。(設問内容)
①日中、頻繁にトイレに行きたくなる。
②夜、寝ている間にトイレに起きる。
③急に、我慢できないくらいトイレに行きたくなる。
④トイレに間に合わずに、尿が漏れることがある。
⑤力んだ拍子に尿が漏れることがある。
⑥尿が出にくく、だらだらと漏れてしまう。
⑦トイレの際、下腹部(膀胱や尿道)に痛みを感じることがある。
⑧トイレの後、残尿感がある。
⑨何度も膀胱炎を繰り返している。
⑩その他
- 排尿のお悩みにより、日常生活で困る事をお教えください。(複数回答)
・日常生活における支障については、トイレの場所を確認しないといけない(48%)、服・下着が汚れる(33%)、臭いが不安(25%)、交通機関の移動(29%)が上位。これらは全ての年代に共通してみられるが、服・下着が汚れる、臭い、交通機関などは30~50代が高い傾向。
(設問内容)
①仕事や家事がはかどらない。
②外出の際、いつもトイレの場所を気にしなければならない。
③散歩や運動を楽しめない。
④交通機関の移動が不安になる。
⑤臭いがしたらどうしようと、不安になる。
⑥映画やコンサートなど、長時間のイベントに行けない。
⑦夜、ぐっすり眠れない。
⑧服や下着を汚してしまう。
⑨その他
- 排尿の悩みに関する情報を、どこから集めていますか?(複数回答)
・情報収集方法は、全世代でインターネット(52%)とテレビ(33%)が上位となりました。相談しにくい悩みのためか家族や友人(12%)は最も低い結果となりました。
- 排尿に関するお悩みに対して、どのような対策をしていますか?(単数回答)
・対処方法としては、尿漏れパット(64%)、トイレの場所確保(50%)、筋力維持運動(筋トレ)(45%)となった。
(設問内容)
①通院・治療中
②筋力を維持、増強させるための運動
③下半身のむくみを解消させるための冷え対策(マッサージや湯船につかるなど)
④水分を摂る量の調節
⑤外出前、寝る前にトイレに行く、外出時にトイレの場所を確認するなど、事前の準備
⑥医薬品・医薬部外品、漢方薬の使用
⑦健康食品・サプリメントの使用
⑧尿漏れパッドやおむつの使用
⑨食事の改善(刺激物やカフェインを避ける。緑黄色野菜を多めに摂るなど)
⑩その他
- 排尿障害は悩み始めた時が対策を始めるタイミング。60代くらいまでなら対策次第でほぼ完治。70代以降でも改善は可能です」
高橋悟 日本大学 医学部泌尿器科学系 主任教授 医学博士
略歴
昭和54年 群馬県立前橋高等学校卒業
昭和60年 群馬大学医学部医学科
昭和62年 東京大学助手(医学部附属病院泌尿器科)
昭和63年 国家公務員共済連合会虎ノ門病院泌尿器科医員
平成元年 都立駒込病院泌尿器科医員
平成5年 米国メイヨークリニック泌尿器科(~平成7年)
平成12年 東京大学講師(医学部附属病院泌尿器科)平成15年 東京大学講師(医学部附属病院泌尿器科)
平成17年 日本大学教授(医学部泌尿器科学講座)
◇40歳以上の過半数が尿漏れを経験◇
山田養蜂場の「女性の健康に関する意識調査」の結果は、まさに現代女性の悩みを象徴したものといえます。
女性の排尿悩みは「尿漏れ」「頻尿」「残尿感」「膀胱炎」の4つがあり、特に尿漏れと頻尿の割合が多いと言われます。
年代毎では40~50代は尿漏れ中心、70~80代になると頻尿(特に夜間)が増える傾向にあります。
学会の調査でも週1回未満の軽い尿漏れを経験している女性は、40歳以上で4割以上と決して「高齢者の悩み」ではありません。
尿漏れは「腹圧性」「切迫性」「混合性」の三つに分かれており、比率としては5:2:3と言われます。すなわち、8割が腹圧性の症状を持っているのです。腹圧性の例としては「重量物を持つため、力んだ拍子に漏れてしまう」等があります。原因は妊娠・出産後の骨盤底筋のゆるみ、閉経後の女性ホルモン低下、加齢に伴う筋力低下等があります。また、女性ホルモンが低下すると尿路内に菌が入りやすくなり、女性は特に男性と比べ尿道が短いため膀胱炎にもなりやすいです。この炎症によって過活動膀胱となることで「急にトイレに行きたくなる」「トイレに間に合わずに漏れた」等の頻尿や切迫性の症状がおこります。これら「尿漏れ」「頻尿」「膀胱炎」は互いの症状を誘発する原因になるため、包括的な対策が必要になります。
◇「女性の排尿悩みはタブー」は過去の話。前向きに治療したいと思う女性が増えている傾向も◇
これら排尿悩みは①エイジング、②出産、閉経による骨盤底の緩みの2大要因が大きいですが、以前までは「尿漏れ」自体が学問とすら認識されておらず、相談しても「漏れやすい!?・・・」と笑われたり、「もう歳だから」と相手にされない事もしばしば。せっかく悩みを打ち明けても不誠実な対応を取られることで傷つき、「誰にも打ち明けられない」という状況を医療側が作っている側面もありました。しかし、高齢者の若返りとも相まって10年前と比べると女性の意識も変わってきております。前向きで自己主張ができる今の女性高齢者は、自身の趣味を楽しむために、このような悩みを積極的に治療したいという考えを持つようになってきました。排尿悩みは生命にかかわる程の病気ではないですが、アクティブに活動するためには障害となります。ですから、「この症状嫌だな」「もっと快適に積極的に生きたい」「ぴったりした色の薄い軽やかなファッションを楽しみたい」と思い立った時が、治療を始める時期なのです
◇~医療側の認識も変化~ 単なる泌尿器ではなく婦人科との連携も必要!?◇
医療側の対応も進んでおり、2013年に日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会の『女性下部尿路症状診療ガイドライン』が作成され、2019年には『第2版』が刊行。初診において内科医自身が診断に迷わぬよう、症状に合わせた診断手順がチャートで示されている。2020年には夜間頻尿の診療ガイドラインも刊行されるとのこと。認識としても「尿もれ」「頻尿」「膀胱炎」は、単なる尿路の病気ではなく、女性ホルモン、心理状態などもかかわる、泌尿器科と婦人科にまたがる境界領域にある病気とされている。最近はGSMという閉経前後の尿路、生殖器の障害を総合的に診る、新たな観点で治療の方針を決める動きもある。包括的対策が必要な排尿悩みを持つ女性が安心して治療を受けるための態勢が整いつつあるのです。
◇医療処置だけではない。ちょっとした生活習慣の工夫で改善します◇
実は、日本は排尿悩みに関する薬剤治療の分野では世界トップクラスと言われます。しかし、切迫性尿漏れに対するものが多く、8割の女性が悩む腹圧性尿漏れ向けではないのです。
腹圧性の尿漏れは、産後推奨される骨盤底筋体操等で筋力維持を行う事で、改善ができます。北欧では、このような体操等の行動療法を重要視しており、産後の保険としてカバーされているくらいです。
残念ながら、日本では行動療法による対策がまだまだ不十分です。
夜間の頻尿についてはちょっとした生活習慣の改善によっても症状が和らぐことがあります。例えば
・夕方のウオーキングで下半身の血流を良くする
・なるべく減塩をする
・夕食、入浴を睡眠の3時間前に済ます
・ブランケットなどで、下半身を冷やさないようにする等が挙げられます。
また、肥満によって脂肪が膀胱を圧迫する事も原因の一つであるとされるため、減量も有効です。
手軽には、再発性細菌性膀胱炎に対する研究成果があるクランベリーや抗菌・抗酸化作用があるプロポリス、といった尿漏れ成分も良いとされますので、それらを一緒に摂れるサプリメントも良いかもしれません。
◇「恥ずかしい、後ろめたい」と思わず、前向きに◇
女性の排尿悩みは、妊娠や出産と関連している事が多いのです。誰にでも起こり得ることなので恥ずかしがったり、後ろめたく感じたりすることはありません。自分でいろいろな対策を行い、どうしても改善したい場合は、ためらわずに専門医を受診してください。「もう歳だから手遅れ」という事はありません。完治は難しいですが、アクティブな生活を取り戻すことは可能です。
尿漏れ、頻尿にきちんと向き合うことは、女性が、人生100年時代を快適に生きていく鍵の一つなのです。
また、男性側の理解も重要です。パートナーや同僚に気を配ってあげて欲しいと思います。
*『女性下部尿路症状診療ガイドライン第2版』参照
- 山田養蜂場について
70年以上、予防医学の観点からミツバチの自然の恵みを健康に活かす「アピセラピー」を追究しています。はちみつやローヤルゼリー、プロポリスなどのミツバチ産品を研究・製造・販売することで、お客様一人ひとりの健康寿命を延伸し、社会に貢献してまいります。