介護漫画「ヘルプマン!!―取材記―」最新刊5月22日(金)3巻同時リリース

介護漫画の人気作品「ヘルプマン!!―取材記―」(くさか里樹著)の最新刊が5月22日(金)、電子書籍限定で株式会社朝日新聞出版から3巻同時リリースされます。ことぶき新聞生活部記者の鯱浜良平が取材を通して介護現場の「今」に斬り込むシリーズは週刊朝日連載時から話題を呼びました。今回は第4巻「鯱浜の祖母」「注文をまちがえる料理店」、第5巻「ミライ塾」、第6巻「介護現場1992」「インフォーマルケア」を主要電子書籍書店で同時に配信します。ぜひご一読ください。

◆ヘルプマン!!-取材記-4巻
「鯱浜の伯母」「注文をまちがえる料理店」

世界中の話題をさらった「注文をまちがえる料理店」誕生ストーリーを漫画化。

飲食店で接客する人は全て“認知症を抱えた人たち”。“まちがえることを受け入れて、まちがえることを一緒に楽しむ”というコンセプトの中で起こる客と店員の奇跡。本作は“認知症”という固定観念を覆すためにリアルなレストランを作ったヘルプマンたちの物語。

テレビディレクターの小国士朗は、グループホーム「株式会社大起エンゼルヘルプ」で、統括マネージャー・和田行男に取材。和田は小国たちに、昼食にハンバーグを用意していた。しかし、認知症の女性が給仕した料理は餃子だった。メニューと異なる料理にすぐに気付いた小国だったが、提供された料理はおいしく、“間違っても誰も困ってない”ことで、認知症について一般的な知識程度だった小国は、認知症はモンスターではなく“同じ人間”だと思い知り、ある企画をひらめく。

それから数年後、ことぶき新聞記者の鯱浜良平は、「注文をまちがえる料理店」の情報を知る。早速、イベントの開催準備会議を訪問した鯱浜は、イベントを担当する市役所職員に対し、認知症の参加者の家族が反対している光景を目の当たりにする。担当者は、認知症ご本人も参加の意志があり、介護現場のプロが彼ら認知症ご本人達を推薦したのだと言う。家族側は、介護のプロが認知症の言葉を鵜呑みにしたのかと抗議。認知症の親を抱える家族たちから猛反対を受ける。しかし、市役所、企業、大手広告会社、テレビ局ディレクター、介護福祉の専門家など、多くの専門家を巻き込んだこのイベントは、参加者の家族たちに、認知症の親のキラキラした笑顔を見せることに成功。終始和やかな接客で、認知症以前の親をほうふつとさせるシーンを何度もうかがわせることに。家族のみならず、興味を持って訪れた地域の人々なども、認知症に対する固定観念を払拭でき、イベントは大成功を収めた。本作は、数多の問題を抱えながらも、どのようにして開催までこぎ着けることができたのか、そのプロセスの一端を描いた意欲作。前代未聞のプロジェクトを成し遂げた人々の裏舞台がここにある!!

◆ヘルプマン!!-取材記-5巻
「ミライ塾」

「自分の力で、進学する」をスローガンに介護インターンシップ型自立支援プログラムを行う「ミライ塾」の塾長・奥平幹也は、自らが新聞奨学生として大学を卒業した自身の経験から、「卒業後に返済を残さない奨学金制度」を介護施設と連携する形で実現できないかと考え、学ぶ意欲はあっても進学を諦めざるを得ない若者と、人材不足の介護業界を結びつけるため奔走。ついに鈴木映司という1人の学生と出会う。 

在学中に介護の仕事で、毎月5万円の生活費を差し引いて、432万円を貯蓄可能な奥平のプログラムの本当の狙いは、“介護体験できることで人として大きく成長できる”こと。介護未経験の映司は、親に迷惑をかけず社会貢献もできる「ミライ塾」を体験することに。認知症の高齢者と間近で接したことのない映司だったが、入所者から笑顔で挨拶され、思っていたほど大変ではなさそうだと感じ手応えをつかむ。

その矢先、独居の高齢者がベッドの中で糞尿まみれの状態で強烈な異臭を放っている場面に遭遇。躊躇するが大学進学のために踏ん張ろうと、清掃の手伝いをしようとした。しかし、介護職員は映司に廊下へ出るよう指示。学生にはヘビーな体験はさせないのかと思った映司だが、とんでもない間違いだった。

映司は、この時給千円の強烈な体験から、要介護になっても人間として心があることを学ぶことになる。奥平が「ミライ塾」を立ち上げた本当の目的、それは、単なる進学支援ではなく、「介護×◯◯のふたつの専門性」「やる抜く力」「社会人基礎力」からなる“人材教育”にあった。

そんな矢先、映司は入所者の一人から激昂され、さらに転倒事故につながる危険な状況に追い込まれることに。心折れ“辞めたい”と思った映司に、施設長は初任者研修の時に学んだ3つのキーワードを思い出すようアドバイスするのだが――。

「ミライ塾」の卒業生には、接遇などの経験を介護業界から学びホテル業界で活躍する者や、東京大学大学院に進学し、その後、特別養護老人ホームに就労した者など、塾生の躍進は続いている。

◆ヘルプマン!!-取材記-6巻
「介護現場1992」「インフォーマルケア」

ヘルプマン!!-取材記-6巻は、「介護現場1992」と「インフォーマルケア」の二部構成。

第一部「介護現場1992」では、介護保険法が施行された2000年より8年前、老人保健法が改正された頃の体験を元に描かれたエピソード。大学で社会福祉士を目指す女子大生・八木裕子は、当時“措置制度”と呼ばれていた介護現場を目の当たりにし、その後の人生を大きく変えたることに。

彼女の実習先となった施設内では、高齢者たちの手足は、ベッドに縛り付けられ身体拘束をするのが当たり前。施設職員たちは、認知症の高齢者たちを“痴呆”と呼び、オムツを外して便をつかんだり、食べたりしないよう、鍵付きの服を着せ、入浴の時は入所者の男女を丸裸にして放置。いくら記憶力や判断力が低下する病気とは言え、これまで八木が、学校で専門的に学んできた情報では到底言い表すことができない世界が広がっていた。

今では考えられないような常識がまかり通る介護施設は、まさに“地獄絵図”そのもの。夜勤では、スタッフも少ないため、職員たちは、実習生の八木にも遠慮なく仕事を振り、施設内でひとり歩きを続ける認知症の高齢者を寝かしつけるよう指示。

仕方なく、刑務所の独房のような部屋で老婆を寝かしつけることに。その時、共に横になっていた八木に、コミュニケーション不能な老婆が語りかけてきた。“痴呆の人は何もわからない人”と学んできた八木が聞いた「すごく寂しい」という老人の訴え。この施設の夜勤で、八木は、現場主義の教育者となる貴重な経験をする――。

第二部は、「インフォーマルケア」という介護保険外サービスを提供する青年実業家のエピソード。一見、介護サービスを高齢者に押し売りしているかのように見える生活支援をビジネスにした“生活サポートもみじ”代表の岡林正樹。彼が提供するサービスを待つ高齢者は、若い頃から日本舞踊を習い、足腰が弱ってからも、思い出の着物を“虫干し”にする事が生き甲斐だった。

しかし、介護保険サービスでは適応外の“虫干し”は我慢するしかなく、老いと共に、生きた証さえ失うしかなかった。そんな高齢者たちに岡林は、生活の質を向上させる有料サービスを提供していた。活きいきと生きるために必要不可欠な選択肢とは何かを問う!!

書名:『ヘルプマン!!―取材記―』4~6巻
著者:くさか里樹
販売価格:510円+税(書店により異なる場合があります)
発売予定電子書店:Kindleストア、楽天kobo、iBooks Store、Reader Store、他電子書籍ストア

くさか里樹(りき)
通所授産施設勤務後、1980年に漫画家デビュー。2003年から講談社の漫画誌で「ヘルプマン!」を連載。11年に第40回日本漫画家協会賞大賞を受賞。14年末、朝日新聞出版の「週刊朝日」に発表の場を移し、「ヘルプマン!!」を連載開始。19年11月から新シリーズ「新生ヘルプマン ケアママ!」を好評連載中。代表作に「ケイリン野郎」などがある。高知県在住。

介護漫画「ヘルプマン!!」
2003年から11年間、講談社青年漫画誌にて連載してきた介護漫画の金字塔「ヘルプマン!」。第40回日本漫画家協会賞大賞受賞の本作は、これまでに、認知症の当事者目線から見た「認知症編」や高齢者の性問題を扱った「高齢者性問題編」、定年退職後の人生を描いた「セカンドライフ編」など、高齢化社会の実情を描いてきた。2014年末、週刊朝日に移籍し、新生「ヘルプマン!!」として単行本化。移籍第1巻「介護蘇生編」は、日常的に高齢者が抱える「誤嚥」に関した問題を取り上げた。第2・3巻「高齢ドライバー編」、第4・5巻「排泄編」、第6・7巻「密愛編」、第8・9・10巻「介護ボランティア編」と介護問題に様々な角度から光を当てた。実話を元にした「ヘルプマン!!-取材記-」として第1巻「開業の章」ほか、第2・3巻「のりあい車の章」ほか、を発行した。

本作は、「すべての人間のさけられない老いと死の闇、光と救いを与える奇跡の漫画!!」(瀬戸内寂聴氏より)、「この漫画を手にとって、介護の世界の「ワクワク」を体験してみて下さい!」(イケダハヤト氏より)など多くの文化人・著名人から絶賛されている。

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