スマートワークを実現するメリットを考える

スマートワークという言葉をごぞんじでしょうか?  この記事ではスマートワークの種類や導入のメリット・デメリットについて考えてみましょう。

スマートワークが注目されるようになっている背景として、「ワークスタイルの変化」「労働力不足」などがあります。 これに対応できるようなワークスタイルの確立が求められています。従来のやり方をしていたのでは勝ち抜くことができません。


「スマートワーク」とは何?
スマートワークとはICT(情報通信技術)を活用することで、時間や場所も選ばず、組織と個人の生産性を最大化することを目的とした働き方のことです。

働き方改革の施策として検討されることも多く、人事制度の最適化と組み合わせて実現する場合もあります。

コロナの時代を経て、従来のようにオフィスで働くだけでなく、在宅勤務を実現させるためにWeb会議システムといったコミュニケーションツールを使えることを体感した方も多いのでは?

これまでは難しかったテレワークが現実のものとなったことで、スマートワークへの注目度も高まったのです。

スマートワークに含まれる具体的な働き方の種類

☑テレワーク
テレワークは、オフィスから離れた場所で仕事することをいいます。自宅に限らず、コワーキングスペースやカフェなどさまざまな場所からの勤務がこれに該当します。テレワークを使用すれば、住んでいる場所にこだわることなく人材を確保することもできます。

☑フルフレックス
1988年の労働基準法改正で、フレックス制という働き方を導入する企業が増えました。フレックス制では、コアタイムとフレキシブルタイムを設け、一定範囲内で勤務時間に自由度をもたせます。コアタイムが必ず勤務しなければならない時間帯で、フレキシブルタイムが従業員の自由に設定できる勤務時間帯を意味します。
しかしICTを活用することで人事制度の最適化が図られ、こうしたコアタイムの設定をしない勤務形態も生まれました。それが近年注目を集めている「フルフレックス」です。総労働時間内から、始業時間や終業時間を自由に決められるので、 各自のライフスタイルに合わせられますし、結婚や出産といったライフステージの変化にも対応しやすくなります。

☑ワーケーション
ワーケーションも注目を集めています。こちらはテレワークの一種と捉えることもできますが、特にバケーション要素に着目した働き方になります。 リゾート地や旅先など、国内外を問わず、いつもと変わらず仕事に従事できたり、リアルタイムで会議に参加できたりすることが実現できるようになりました。 在宅勤務が主流のテレワークに対し、こちらは リフレッシュも兼ねられるというメリットがあります。仕事と休暇を融合させた新しい働き方といえるでしょう。

☑ パラレルワーク
パラレルワークは、本業を複数もつことをいいます。スマートワークが実現できる環境を整えることで、時間的にも場所的にも縛られることがなくなり、複数の仕事をもつことも可能になります。 副業が認められているとしても、休日の間もしくは帰宅後夜間に副業を少しおこなう程度しかできないケースがほとんどでした。しかし 生活の自由度が高まることによって、本業を複数もつことも可能になります。会社員でありながら飲食店を経営することもできますし、各仕事のボリュームによっては3種以上の業務をおこなうことも可能です。

企業がスマートワークを導入するメリット

☑ 生産性の向上
業務を効率化するデジタルツールを整備することで生産性向上につながる可能性があります。 テレワークを実施したことによる効果として「働き方改革の前進」や「業務プロセスの見直し」「コスト削減」とともに「定型的業務の生産性が上がった」という回答があります。

☑「フレックスタイム制」の導入では、従来の労働時間に捉われず、メリハリをつけて効率的に働くことも可能になります。 会社全体で革新性や創造性を高まり、より高い成果へ結びつけることが期待できます。

☑ 優秀な人材の確保と離職率の低下
働きやすい環境を整備すれば、優秀な人材も多く集まってきます。貴重な労働力を蓄え、さらなる発展につなげることができるようになります。  様々理由で一般的な働き方ができなくなっている優秀な人材に対しても離職を防ぐ事ができます。早期退職や、優秀な人材の流出も防止できれば企業にとって大きなメリットとなります。

スマートワーク導入の課題

☑既存の仕組みを大幅に変えるための労力が必要
すでに多様なITツールを使いこなし、テレワークなどを導入している企業であれば、これに加えて別の働き方を取り入れるのはそれほど難しいことではありません。しかし従来の働き方から変わらない環境で長年活動してきた企業の場合、制度を刷新するには相当の労力がかかります。
またフルフレックスにより個々の就業時間が不規則になれば、確認や承認のタイミングがあわなくなる可能性があります。そのため従業員同士で時間差を考慮しておくことや、状況に応じて時間を合わせるように工夫する必要もあるでしょう。
テレワークを許した場合、ペーパーレス化ができていなければスムーズに作業は進められず、効率が落ちるおそれもあります。   専門の人材を配置するなどして、会社を上げて取り組む必要もあるでしょう。

☑ 情報漏えいのリスク
ワーケーションをはじめ自宅や外出先からのテレワークは、企業の重要な情報が第三者に漏れてしまうリスクを高めてしまうこともあります。複数の仕事の中で、意図せずともちょっとした会話の中から大切な情報を漏えいさせてしまう可能性もあるでしょう。そこで重要なのが教育と環境の整備です。 社内システムへのアクセスができるデバイスを制限したり、セキュアなツールを使用したり、また仕事の安全な進め方に関して事前に講習を開くことも場合によっては必要です。

情報やセキュリティに関する個人個人のリテラシー教育も欠かせません。社内のセキュリティレベルや、社員の意識リテラシー向上のために、ISMS (ISO27001)を取得することも有効です。ISMSとは「情報セキュリティの目標を達成するための仕組み(マネジメントシステム)」で、国際規格に準拠し、認証機関に認められれば認証を取得することができます。 もちろん社内のシステム自体もセキュアなものでなければなりません。社内にセキュリティ対策ができるプロがいない場合は、信頼でき、サポートが充実しているツールを選ぶことがより重要なポイントとなります。

☑公平な業務評価
テレワークなどによりオフィス内で働かなくなった場合、Web会議やチャットなどを通じて以外、上司が部下の様子を見ることができなくなります。新たな評価方式を考え、公平な評価できに取り組みましょう。 勤務時間などとは関係なく、成果が出せれば問題はないのですが、成果をきちんと評価すればモチベーションも下がらず、生産性向上につながります。 成果が出るまでの過程を理解し、一層、部下のアウトプット過程を意識したヒアリングなどを増やすことが重要になってきます。

スマートワーク導入時におすすめの対策

☑ 適切な業務管理および労働管理
テレワークなど実際に顔を合わせることのない働き方では、労働時間などのルールをしっかりと定め、従業員に遵守させる取り組みも大事です。またフレックス制を導入した場合、会議など複数で集まらなければならない場合の時間調整なども必要でしょう。プロジェクトメンバー同士であらかじめ各自の生活スタイルなどをある程度共有しあい、うまく調整することも重要です。

☑作業環境・システムの構築や整備
どのような場所で業務をおこなっても従業員間で環境格差が生じないようにしましょう。 また、デバイスの貸与などをおこなうことに加え、各従業員がアクセスするシステムの準備をしましょう。当然、この基盤システムは企業側が負担し、運用することになります。 Web会議システムやチャットツールの導入は必須ともいえるでしょう。社外からも承認ができるようペーパーレス化を実現し、申請業務などをデジタル化します。そのためにはワークフローシステムの導入も検討する必要があります。
業務に関わるさまざまな書類の管理をデジタル化するすなら、文書管理システムを利用するという手段もあります。あらゆる書類が社外からも閲覧・編集可能になるので、情報共有が効率化します。

労働人口がますます減少していくこれからの時代、多様な人材が多様な働き方で活躍できる環境整備が欠かせません。       だからスマートワークです。 スタッフ一人ひとりがライフスタイルに合わせた働き方をしながら、労働生産性を高めていけるようにスマートワーク環境を整えていきましょう。

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