LIFULL seniorは、介護施設をどのような手段で探すか実態を把握するため、1年以内に家族または親族が介護施設に入居した方を対象に「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」を実施

調査サマリー
・介護施設探しで最も頼りにされているのはケアマネジャー。半数以上の方がケアマネジャーに相談する・インターネットを使うと回答した人はわずか31.7%・若年層の方が介護施設探しに、インターネットや知人への相談、紹介センターなど多様な手段を使う傾向にある・入居した施設を知ったきっかけ、31%がケアマネジャーからの紹介・首都圏は入居先をインターネットで見つけたという回答が22.5%で、全国より6.5ポイント高い

介護施設探しで最も頼りにされているのはケアマネジャー。半数以上の方がケアマネジャーに相談する

1年以内に家族や親族が介護施設に入居した方を対象に、老人ホーム・介護施設探しに利用した手段を全て回答してもらったところ、53.3%と半数以上が「ケアマネジャーに相談した」と回答しました。

2番目に多かったのが「インターネットで調べた」で31.7%、次に「役所や地域包括支援センターに相談した」で、29.1%という結果になりました。

ケアマネジャーは介護保険サービスのケアプランを作成し、利用者とサービス事業者の間に入って調整する役割を担います。介護保険サービスを受けている方にとっては最も身近な介護の相談相手であることから、老人ホーム探しでもアドバイスや提案を求める方が多いと推測できます。

インターネットを使うと回答した人はわずか31.7% 

一方でインターネットによる介護施設探しも有力な手段になりつつありますが、31.7%にとどまりました。ケアマネジャーの役割は介護保険サービスを受ける上での支援や調整のため、地域の中で日々新設される介護施設の情報をどれだけ把握しているかは、個人により異なります。そこでインターネットを活用することで、最新の情報が効率よく入手できます。

介護施設探しの手段、30代は7つが20%を超えているが60代は4つにとどまり、高齢層ほど探し方が限定的

介護施設探しに利用した手段について、年代別に回答結果をまとめました。「インターネットで調べた」は20代が37.7%と最も多く、年代が上がるにつれ回答率が下がっています。また、20〜40代は「介護経験のある知人、親族に相談した」も20%を超え、50代以上と比較して回答率が高いこともわかりました。

一方で、年配の層ほど回答率が上がるのが「ケアマネジャーに相談した」でした。特に60代以降は65%を超える方が回答していました。

20代では利用したという回答が20%を超える手段が9項目中5項目あり、30代では9項目中7項目ありました。しかし60代では9項目中4項目、70代では9項目中2項目に止まっています。これは若年層ほど介護施設探しにさまざまな方法で情報収集を行うことの現れといえそうです。

入居した施設を知ったきっかけ、31%がケアマネジャーからの紹介

近しい方が入居した介護施設をどのような手段で知ったかをたずねたところ、最も多かったのは「ケアマネジャーに紹介された」で31.4%でした。先述したように在宅介護で一番の相談先になっているケアマネジャーから提案された施設に入居をされる方が多いようです。

次に「インターネットで調べた」(16.0%)、「病院のスタッフに紹介された」(11.8%)が続きます。病院には退院後の生活を支援するための部門があり、そちらで働くMSW(メディカルソーシャルワーカー)がしばしば退院後の入居施設を提案します。

関連記事:入院した時に頼れる存在。MSW(医療ソーシャルワーカー)とは? どんな相談に乗ってもらえる?

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/interview/soudan/002/

首都圏は入居先を「インターネットで見つけた」という回答が22.5%で、全国より6.5ポイント高い

近しい人の入居先を知ったきっかけについて、首都圏と全国で比較すると「インターネットで調べた」が首都圏では22.5%で、全国より6.5ポイント高いことがわかりました。首都圏は介護施設の総数が多く、新設や統合も盛んです。そのため、ケアマネジャーでもなかなか地域の介護施設の情報をすべて把握することが難しく、ご家族がご自身で探す傾向が強いと考えられます。実際に、皆様から老人ホーム探しのご相談を受け付けている「LIFULL 介護入居相談室」にも、ケアマネジャーの方からのご相談がしばしばあります。

LIFULL 介護入居相談室

https://kaigo.homes.co.jp/info/soudanshitsu/

LIFULL 介護編集長小菅がおすすめする、介護施設の探し方

まずは、入居者の心身の状態や解決したい困りごと、嗜好を把握します。どの介護施設も介護そのものは行いますが、他にも特色や提供するサービスが異なります。入居者や家族の具体的なニーズを洗い出すことで、よりマッチした施設を効率的に選ぶことができます。

次に予算の設定です。予算に応じて利用可能な施設が変わるため、予算を立てることでリストアップ時に絞りやすくなります。基本的に、入居者の預金・収入の範囲内で支払うことを前提に考えます。もちろん家族が経済援助する事もあるかと思いますが、何年間入居するかは分かりません。家族にも生活があるので、経済的な負担や心理的なストレスが掛からない施設を検討したいものです。

次に、検討エリアの介護施設をリストアップし、入居条件と予算に合致したところは資料請求や見学をします。施設の特色やサービス、料金を比較することで、目的に合った施設を効率的に絞り込むことができます。

そして施設の見学ですが、最低でも3カ所は見学しましょう。3カ所以上を比較することで、各施設のサービスレベル、設備、スタッフの対応などをより明確に評価する基準が生まれます。また、一番気に入った施設が何らかの理由(空室が埋まった等)で入居できなかった場合の代替案にもなります。

行政窓口や地域包括支援センターで、地域の「介護施設一覧表」を用意していることもあります。しかし、「施設名・住所・電話番号」程度しか記載がないため、より効率的に調べるには老人ホーム検索サイトが有効です。各施設の特色など豊富な情報に加え、エリアや予算、要介護度など入居条件を細かく指定することで、条件に合致した介護施設を絞り込むことができます。もし、ケアマネジャーなどの専門職に施設提案をもらう場合も、複数の人から受けられると良いでしょう。


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介護施設探しに利用した手段、インターネット検索はわずか3割

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【調査概要】

調査時期:2023年7月4日~7月7日

調査対象:全国の20歳~79歳 男女2,000名 ※未既婚不問、有無職不問

・家族、親族の中で1年以内に介護施設入居者(*)がいる方

・家族、親族の介護施設の情報収集や選定に関与した方

*「介護施設」:介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(介護医療院)

調査手法:インターネットによるアンケート調査

※調査結果・データは四捨五入しており、合計が100%にならない場合があります。

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